鹿島×湘南のPK蹴り直し、JFA審判委員会がVAR介入を「適切」と説明 「極論、1cmだろうが映像上で出ていれば正しい」

鹿島の鈴木優磨【写真:徳原隆元】
鹿島の鈴木優磨【写真:徳原隆元】

「Jリーグジャッジリプレイ」でも取り上げられ、厳密に取る必要があるかも意見が出たプレー

 日本サッカー協会(JFA)の審判委員会は、7月4日にレフェリーブリーフィングを実施。いつかの事例を取り上げる中で、6月11日に行われたJ1リーグ第17節の鹿島アントラーズと湘南ベルマーレの試合が取り上げられた。

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 後半35分に与えられたPKは鹿島のFW鈴木優磨がキックするもGKソン・ボムグンがセーブし、湘南DF石原広教がこぼれ球をクリアした。しかし、柿沼亨VAR(ビデオ・アシスタント・レフェリー)から石原が鈴木のキックの瞬間にペナルティーエリア内(ライン上も内側と判断される)に侵入していたという情報が入り、上田益也主審はPKのやり直しを命じた。石原はラインを踏んでいるくらいの位置だった。GKが弾いたボールを石原がプレーしたため、VARの介入条件を満たした。

 JFA審判マネジャー・リーグ担当統括の東城穣氏は映像を用いてこの場面を紹介し、VARルームからの「守備側の選手が侵入して、GKが止めたあとに関わっているのでやり直し」という音声が入っていた。そして、VARオンリーレビューでやり直しとなった判断について「適切なもの」としたうえで説明している。

「VARがチェックする際にキッカーの状況を見る。GKが(シュートを)止めているので、早く飛び出ていないかチェックする。3つ目のところで、守備側競技者がボールが蹴られる前に侵入している。皆さんのなかで、実際には『これくらいで介入するの?』はあるかもしれない。ただ、VARが入っている試合で『これくらい』が1センチならOKで50センチからアウトなのかというのは難しい。ラインはペナルティーエリアに含まれるので踏んでいてもアウトだけど、映像から見ると明らかに足が中に入っている」

 この場面はスポーツチャンネル「DAZN」の判定検証番組「Jリーグジャッジリプレイ」でも取り上げられて、そこまで厳密に取る必要があるのかどうかという意見も出ていたが、東城氏の話すようにどこまでOKでどこから蹴り直しと判断するのかはそれ以上に大きな問題になるだろう。

 東城氏は「ポイントとしては、侵入した選手がプレーに関わった場合だけ(VARが)入る。例えばGKが弾いて違うところに転がってコーナーキックになった場合などは介入しない。極論、1センチだろうが映像上で出ていればVARとしては介入するのが正しい。このシーンでは当然の手続きを踏んで、VARオンリーレビューで変えたということ」と、この手続きについて説明していた。

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