U-17アジアカップ決勝で日本に完敗の韓国、日韓戦での劣勢に危機感露わ

　U-17アジアカップ決勝が7月2日に行われ、U-17日本代表が韓国代表を3-0で下し、4度目の優勝を飾った。近年、各年代別代表の日韓戦では立て続けに日本が勝利しているなか、韓国メディアのサッカー解説委員は「日本との格差が広がったことを認めなければならない」と、母国サッカー界へ警鐘を鳴らしている。

　日本は前半44分、ゴール左で得たフリーキック（FK）からFW名和田我空が鮮やかな一撃を叩き込み先制。さらに後半21分にはMF望月耕平からのパスに抜け出した名和田が相手GKと入れ替わるように流し込み加点すると、終了間際にはFW道脇豊が追加点を奪い3-0で勝利し、日本がアジア王者の称号を手にした。

　敗れた韓国は近年、各年代別代表における日韓戦で屈辱を味わい続けている。2021年3月に行われたA代表、22年6月のU-16代表、U-23代表、7月のE-1選手権（A代表）ではいずれも0-3のスコアで敗れており、奇しくもU-17アジアカップ決勝でも同じスコアになったことから日韓代表の格差に脚光が当てられた。

　韓国紙「世界日報」は韓国放送局「KBS」のスポーツ専門チャンネル「KBS Nスポーツ」で解説委員を務めるキム・デギル氏の見解に注目。「『日本との格差を認め、より徹底した選手管理体系が必要だ』と指摘した」と伝え、同解説委員による発言内容を紹介している。

　キム・デギル氏は日韓両国の力関係について「日本との格差が広がったことを認めなければならない。『来るべきものが来てしまった』という表現が正確だ」と指摘。日本サッカーについては昨年のカタール・ワールドカップでドイツ、スペインを破る金星を挙げた事実を引き合いに「内容が韓国サッカー指導者とファンを驚かせるほどだった。自国システムや選手底辺、欧州に進出した選手数などすべての面で韓国より優れている」と分析している。

　さらに、日本サッカー界の成功事例を踏まえたうえで「人口や底辺で日本に押されている韓国が代表チームの競技力を維持するためには、良い選手を体系的に管理するシステムが必要だ。最近20歳以下、17歳以下で良い成績を出す選手がプロユースチーム出身に多いが、大韓サッカー協会は彼らを幼い頃から育成するプログラムについて考えなければならない」と改革を提言するなど、危機感を煽り立てていた。