日本の女性審判員トリオ、Jリーグの経験を糧に世界へ 2大会連続で女子W杯を担当「日本サッカーの発展にもつながる」
今月開幕の女子W杯で日本から派遣される
今月に開幕するオーストラリアとニュージーランドで共催の女子ワールドカップ(W杯)に審判員として参加する山下良美主審、手代木直美副審、坊薗真琴副審が7月2日に取材対応し、大会への思いを語った。山下主審は「3人で力を合わせて、培ってきて力を最大限に出すだけ」と話している。
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山下主審は昨年開催された男子W杯の審判員に世界の中で3人のみだった女性主審候補の1人として選出されて注目を集めた。本大会では主審の割り当てこそなかったが、第4の審判員としてピッチに立った。女子の審判界ではトップランナーの1人として見られる面もあるが「審判員はあまり注目されない方がいい役割ではあると思うけど、審判員という役割もあるという、サッカーへの関わり方にいろいろとある中の1つとして目を向けてもらいたいところもある。それが日本サッカーの発展にもつながると思う。私自身としては、少しでも長く現地に残ること」と目標を話した。
山下主審はすでにJ1でも経験を積んでいるなか、4月29日のJ1リーグ第10節の横浜F・マリノスと名古屋グランパスの一戦では、この女性トリオが主審と副審を担当。当然ビデオ・アシスタント・レフェリー(VAR)導入試合でもあり、手代木副審は「4年前は自分でもなかなか準備ができていなかったと感じる。VARは世界大会でしか経験できなかった。この4年間で研修会にも出させてもらえて経験を積めた。世界の中でもVARのある試合を経験してW杯に来る女性審判員は多くない。そういう意味では日本の女性3人は恵まれていると思う」と、その経験について話している。
このトリオでの女子W杯参加は2大会連続になるが、坊薗副審は「フィールド上で自分の考えをもとに決断できるので、それが山下さんの良さ。流されない芯の強さがあり、いろいろとあっても自分が最後は決めるという強さがあるので、だからこそ自分の考えを伝えられる。その通りにするのではなく取捨選択してくれるので率直なものを伝えられる。そういう山下さんの真のリーダーシップがあってこそのトリオ」と、3人の関係性を話していた。
山下主審は開幕の迫ってきた女子W杯について「まずはこの機会をいただけてとても光栄でうれしい。サッカーを通じて出会ってきた方たち、サッカーを好きになって続けてきた人生をこのW杯で表現したい。関わってきた方たちへの感謝や、情熱を表現できるように。3人で力を合わせて、培ってきて力を最大限に出すだけ。それができるように準備しているし、その力を出したいと思う。それをすることが責任だと思うので、それを強く感じながら表現していきたい」と話していた。
もちろん、なでしこジャパンの結果次第ではあるが日本のトリオは決勝戦などビッグゲームを担当する有力候補になるはず。もう1つの日本代表にも注目したいところだ。
(FOOTBALL ZONE編集部)