古橋亨梧、セルティックに「行けて良かった」 自ら明かすステップアップへの思い「もちろん上でやってみたい気持ちもある」

充実のセルティック2季目を過ごした古橋亨梧【写真:ロイター】
充実のセルティック2季目を過ごした古橋亨梧【写真:ロイター】

【インタビュー】リーグ27得点、公式戦34ゴールで個人タイトルを総なめのシーズン

 2022-23シーズン、歴史が塗り替えられた。スコットランド1部セルティックの日本代表FW古橋亨梧は欧州主要リーグで日本人最多得点記録を更新し、日本人初の得点王に輝いた。リーグ27得点、公式戦34ゴールという圧倒的な結果。リーグやクラブなど数々のMVP(最優秀選手賞)を獲得し、個人タイトルを総なめにした。6月には日本代表にも復帰を果たした28歳FWが「FOOTBALL ZONE」のインタビューに応じ、充実したシーズンを振り返った。(取材・文=FOOTBALL ZONE編集部・小杉舞/全2回の1回目)

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「まず、やっぱり1年間通してプレーをし続けた。小さな怪我はあったりはしましたけど、1年間通してプレーできたのがやっぱ一番かな。そのなかで掲げた目標を達成することができた。もちろん自分だけじゃなくて、やっぱ周りの支えがあったからこその達成だと思うので、本当に感謝しかない。ただ、自分としては最終的にリーグ30ゴールを目指していたので悔しい思いもしました。まだまだ反省点も多かった」

 圧倒的な数字を残した22-23シーズン。21年夏にヴィッセル神戸からセルティックに加入して臨んだ2季目は、エースとしてチームを国内3冠に導く活躍だった。誰も文句の言えない成績で日本代表にも復帰。間違いなく言えるのは古橋をまた一段と成長させたのはスコットランドリーグだ。

「(スコットランドリーグは)能力がすごく高い。守備のところでもセンターバック(CB)の選手は体格が大きくて、身体能力が高いし、サイドの選手は足が速くて、1人で仕掛けてしまったり、FWでも大きい選手と、その周りでサポートできる選手もいたり、1人1人選手たちを見れば能力が高くていい選手が多い。そのなかで僕たちも苦しんだ試合もあったけど、0-1で負けているところをイーブン以上、勝ちに持っていける力がついた。パーフェクトな試合があったか、と言われたらそうではないけど、一丸となって臨めたからいい結果になったんじゃないかと思います」

 期待が高まる一方で、日本代表から落選した時期もあった。周囲はリーグのレベルが――と話題にした。古橋自身は正直にどう思っていたのか。

「そうですね、(スコットランドリーグに)行って良かったです。大きな体格のCBだったり、より厳しくマークされたなかでどう点を取るのか。どう駆け引きするのか、というのが毎試合楽しい。海外に行けて良かったし、セルティックに行けて良かったなと思っています。27点リーグで取ることができましたけど、簡単に取っているとは思っていない。苦労しながらみんながつないでくれて、僕も自分で仕掛けたりしたけど、でもやっぱり苦労してボールを奪って、苦労して(チームメイトが)前に運んでくれて、ゴールを決めていると思っているので、簡単なゴールは1つもない」

 そのなかで、磨き上げた技術がCBとの“駆け引き”。相手DFから消える動きで翻弄し、ゴールを量産した。「僕は大きい選手じゃないので、捕まったら終わり。無意識に動いている時もあるけど、出し手の癖も感覚的に掴みながら。ボールを間接視野とかで見ながら駆け引きしている」と、研究を重ねて得点につなげた。

ポステコグルー監督と築き上げた関係性 「お前は本当にスーパーだ」

古橋と熱い信頼関係で結ばれたポステコグルー監督【写真:ロイター】
古橋と熱い信頼関係で結ばれたポステコグルー監督【写真:ロイター】

 22-23シーズンで指揮を執り、新シーズンからはイングランド1部トッテナムの新指揮官に就任したアンジェ・ポステコグルー監督からは、「お前は本当にスーパーだ」と言い続けられたという。「僕のこと大好きやなって思っています(笑)」と冗談交じりに話しながらも「個人的には厳しいことはあまり言われなかった」と、信頼は厚かった。

 飛躍の1年を過ごした古橋。そのなかで、新シーズンへの思いも明かした。

「(ステップアップについて)先のことは分からないけど、もちろん上でやってみたいなという気持ちもある。でも今プレーしているチームは世界的にも大きなクラブで、今年のチャンピオンですし、すごくいい経験ができる素晴らしいチーム。このクラブに関わっているすべての選手たちはやっぱり1日でも長くこのクラブでやりたいと思っている選手が多い」

 結果を残した一方で古橋に求められる新シーズンの基準は高まる。それでも、自身が作り出した壁を乗り越えて、次なる段階へ進んでいく。ただやることは変わらない。どんな舞台でも古橋は変わらず、謙虚にゴールを求めていくはずだ。

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