浦和のパリ五輪世代DF、「自分が思っているよりいいトラップ」からアシスト 今季リーグ初先発でフル出場に「驚いている」

浦和の大畑歩夢【写真:Getty Images】
浦和の大畑歩夢【写真:Getty Images】

湘南戦は4-1で快勝

 浦和レッズのDF大畑歩夢は6月28日のJ1第12節延期日程の湘南ベルマーレ戦(4-1)で今季のリーグ戦で初スタメンを飾った。FW興梠慎三の先制ゴールをアシストするなどの活躍を見せ「チャンスをもらった時には結果を残したい」と話した。

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 浦和は24日の川崎フロンターレ戦で、左サイドバックでプレー可能なDF明本考浩とDF荻原拓也が負傷し、両者ともこのゲームの登録メンバーから外れた。そこに大畑がスタメン起用されると前半20分、最終ラインからMF岩尾憲が左サイドに出したロングフィードに、大畑が反応してそのままドリブル突破。中央へのラストパスをFW興梠慎三が蹴り込んだ。先制アシストについて大畑は「自分が思っているよりいいトラップができたので、あとは冷静に(中央を)見て流し込むだけでした」と、振り返っていた。

 昨季にサガン鳥栖から加入した大畑は、負傷を抱えた状態でも浦和が獲得に踏み切ったことからも期待の大きさを感じさせた。昨季も明本とポジションを争いながらシーズンを過ごしたが、AFCチャンピオンズリーグ(ACL)決勝トーナメントでは3試合ともスタメン出場するなど貴重な戦力として存在感を示していた。

 しかしマチェイ・スコルジャ監督が就任した今季はそのポジションに京都サンガF.C.への期限付き移籍から復帰した荻原も加わって左利きが3人並んだ。そのポジション争いでは後塵を拝している感は否めなかった。それでも、この時期に大切にしてきたことを「サッカーを練習から楽しめているところですかね。試合のことは、出たら出る時に考えますけど、今は出ていない状況でも練習をしっかりやることを意識していた」と話す。そしてチャンスを得たこのゲームではモチベーションを空回りさせることもなく90分間のフル出場。それについては「自分自身も驚いているところはありますね」と話していた。

 惜しまれるのは前半34分にMF大久保智明のミドルシュートが相手守備陣に当たりながらゴールまで抜けていくと、GKソン・ボムグンの弾いたボールに大畑が詰めたが決めることができなかった場面。ゴール前に詰めるスピードとGKが弾くタイミングが合わなかった後にGKに寄せられてしまったが「ちょっと慣れてないので、あんな場面」と苦笑いし、「前に行き過ぎてつまずいてしまった。あれは決めたかったです。浮かせばいいと思ったんですけど、あの場面では慌ててしまいましたね」と、ゴールチャンスを逃したことは悔しがっていた。

 2001年生まれの大畑は来年のパリ五輪も狙える世代であり、U-22日本代表の大岩剛監督も浦和のプレシーズンキャンプを視察した際に大畑と会話をしている場面があった。当時、「ケガをせずに試合に出続けること」を求められていたと話していた大畑は、五輪代表への選出に対する意欲を「それは一番意識をして、最優先で考えて動いています」と話している。そのためにも、出場機会の確保は大きなテーマだ。

 浦和としても、大畑が左サイドバックとして機能性を高めれば、前線での起用時に躍動感を見せる明本の起用法にも幅が出てくる。中2日で迎えるのは古巣対決の鳥栖戦だが「ケガの選手が戻ってきた時にどうなるか分からないけど、チャンスをもらった時には結果を残したい。去年だったら(鳥栖戦に強い意識が)あったと思うけど、自分自身の現状では、そんなに意識はないです」と、冷静さを保ちながら次の戦いを見据えていた。

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