「受け手がどう捉えるか」 横浜FCの一発退場、副審への「乱暴な行為」に日本代表&元審判員が見解「映像だけでは厳しいかなと…」
日本代表MF遠藤航、家本政明氏、深野悦子氏が「Jリーグジャッジリプレイ」で見解
横浜FCのMF三田啓貴は、6月24日に行われたJ1リーグ第19節京都サンガF.C.戦(1-2)の前半アディショナルタイム、ベンチでアップしていたなか、副審への「乱暴な行為」で一発退場となった。スポーツチャンネル「DAZN」の判定検証番組「Jリーグジャッジリプレイ」でこのシーンが取り上げられ、深野悦子元国際審判員は、「ほかのハラスメント行為と一緒で、されたほうがどう感じるか」と見解を述べている。
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横浜FCは、前半アディショナルタイムにピッチサイドでアップをしていた三田が退場となった。ルーズボールに京都FW山﨑凌吾と横浜FCのDF岩武克弥が寄せていったなか、蹴り出されてサイドラインを割った判定は京都ボールと副審が示した。
しかし、ライン際でアップをしていた横浜FCのベンチメンバーが判定に抗議。リプレイ映像では、ラストタッチが山﨑のように見え、横浜FCボールでの再開が正しいのではないかと主張した。
池内明彦主審はプレーを止め、副審と協議。そのなかで、副審に詰め寄った三田に対し、レッドカードを提示した。横浜FC側は判定に抗議するも、ビデオ・アシスタント・レフェリー(VAR)での確認も通して最終的に一発退場は変わらず。ベンチから1人、選手が退場することになった。公式記録では、三田の退場理由は「乱暴な行為」と記されている。
その後プレーは再開。ただ、当初副審が判定した京都ボールではなく、横浜FCのスローインでインプレーとなった。
「Jリーグジャッジリプレイ」にゲスト出演した日本代表MF遠藤航(シュツットガルト)はまず、「海外だとゴール裏でアップするので、ここ(ピッチサイド)でアップしていることがない。たしかに、そもそもウォーミングアップの場所はJリーグも考えたほうがいいかもしれない」と、ウォーミングアップの場所について言及。さらに、判定に関しては、「退場となると、ちょっと厳しすぎるのかなというのはある。三田選手が審判に対して何を言ったのかが分からないので、そういうのを含めて難しい判断だったと思う」と続けた。
「副審は乱暴な行為を受けたと感じた」
元国際審判員・プロフェッショナルレフェリーの家本政明氏は、「競技規則と照らし合わせた時に、乱暴な行為と判断できるか。腕が間違いなく副審のほうに動いて、多少なりとも当たっている。接触があってもなくても、競技規則には書かれている。副審の判定が正しくなかったのはあるけど、あそこまで副審の近くに行くという行為は問題です」と切り出し、「言葉は分からないので置いておきます。行為だけ見た時に、なんでだとアピールがたまたまかすったようには見えるんですが、副審はそこに対して顔を向けていない。どういう動きがあったか、間接視野で捉えていた。副審からすると、攻撃性のある腕のある使い方がコンタクトした。これは確認どうこうではく、攻撃的な行為と判断したのでしょう。主審がどう見ていたかは映像では分からない。副審が主審を呼んでいるので、副審の主張を採用した形でしょう」と語った。
「乱暴な行為に含まれるのか」という質問に対し、日本サッカー協会(JFA)の審判インストラクターを務める深野氏は、「結局、受け手がどう(捉える)か。ほかのハラスメント行為と一緒で、されたほうがどう感じるか。最初に見た時に、侮辱的な発言なのかなと思ったら、そうではなくて、」(退場理由が)乱暴な行為だったので、副審は乱暴な行為を受けたと感じたと思った。ただ、そこには発言も含まれていてどっちを取ったのかな」と回答。「レッドカードはやむなしか」という問いには、「映像だけでは厳しいかなと思ったけど、本人がどう思ったのか」と見解を述べていた。