決定力を欠いた浦和、スコルジャ監督が「この6か月で最も悪いところ」に挙げたのは?

浦和は前半のチャンスを生かせず1-1ドロー【写真:Getty Images】
浦和は前半のチャンスを生かせず1-1ドロー【写真:Getty Images】

課題の立ち上がりにチャンスを作るなど、入りは良かったが…

 浦和レッズ6月24日、川崎フロンターレをホームに迎え撃ったJ1リーグ第18節を1-1で引き分けた。互いに相手GKのプレーからイレギュラーなゴールを奪った試合でゴール前の迫力を欠いた部分は否めず、マチェイ・スコルジャ監督は「ゴールから16~18メートルくらいの位置からシュートを打てるのに、さらにコンビネーションをしようとする場面があった」と、選手たちのプレーを指摘した。

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 前の試合までリーグ20得点のうち15得点が後半と、立ち上がりに課題があった浦和だがこのゲームでは強度を見せた。前半2分、右サイドのスローインをDF明本考浩が素早く始めると、FWホセ・カンテを経由してMF大久保智明にペナルティーエリア内でパスがつながりビッグチャンス。しかし、大久保のシュートはGK上福元直人が弾き出した。数分後にも、DF荻原拓也のクロスに大久保が際どく飛び込む場面もあり、これまでになくゴールを予感させる試合の入りだった。

 しかし、それは川崎にボールを安定させられた前半の半ば過ぎから減退した。そして、後半に浦和は大きく飛び出して上福元がクリアしたボールを拾ったMF関根貴大が50メートル級のロングシュートを決めて先制。一方でGK西川周作が最終ラインのパス交換でまさかのコントロールミスを犯してそのままオウンゴールというバタバタした同点劇になった。

 その後の30分間は出入りの激しい展開になったものの、後半33分に途中出場した川崎のMF小塚和季がDFアレクサンダー・ショルツに対して足の裏から飛び込む危険なタックルで右足首付近をヒット。今村義朗主審は迷いなくレッドカードを提示して川崎は10人になった。数的優位を得た浦和だが、ゴール前に切り込む迫力を欠くこれまでの課題が解決されない時間を過ごしてそのまま1-1の引き分けに終わった。

ゴール前での判断も改善点

 指揮官は「立ち上がりは非常に良かったと思う。前半の中でも前半の部分ではチャンスを作ろうとしたし、大久保のシュートのような場面につながった」と評価したが、「非常に強度の高い、ハイレベルなゲームになったと思う。だけど、この結果に満足してはいけない。特に、1人多い時間帯があったのだから」と、結果には不満足であると話している。

 特に攻撃のプレー選択について「判断のところで問題があったと思う。ラインブレイクしたあとにクロスを上げられるのに上げない場面があった。また、ゴールから16~18メートルくらいの位置からシュートを打てるのに、さらにコンビネーションをしようとする場面があった。その判断の部分も問題になるかもしれない」とコメント。左サイドのスタメンに起用してハーフタイムに交代を決断したFW髙橋利樹についてのコメントでも、「背後に抜ける動きを何度もしてくれた。そこを使うという周りの判断が足りなかった」と言及した。

 ショルツは「リスクをかけるのと中盤でボールを失うのは違うが、ボールを失うのをもっと高い位置にしなくてはいけない。相手陣内での攻撃を改善しなければならない」と語る。スコルジャ監督はこの試合に向けてファイナルサードの改善に取り組んできたと話していたが、途中出場したMF小泉佳穂は「チームとしてかなり言われているのは相手のラインの裏を突くこと。長いパスだけでなく、押し込んだ状態の小さいスペースでも裏のスペースを使うことでゴールにつながるし、そこに飛び込んでいくことを求められている」と話した。

 リーグ17試合を消化しての13失点は最少タイの優秀さだけに、勝ち点がもう1つ伸びきらない理由はどうしても攻撃にフォーカスが当たる。スコルジャ監督は「チーム全体を見れば攻撃のところでまだ満足をしていない。この6か月で最も悪いところはどこかと聞かれれば、攻撃の時のチームとしての連係。先ほどフレッシュな血を注入する話があったが、今チームでどこにそれを必要としているかと言えば前線だろう」と、夏のウインドーでの補強の必要性にも言及していたが、それまでにやってくる数試合で勝利を重ねられるかはシーズンの最終成績に大きな影響を与える。早急な改善は簡単ではないが、ここ数週間で結果を残すことが必要な状況に追い込まれつつある。

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