久保建英や堂安律でも「入る余地は少ない」 熾烈な争いを日本代表OBが考察…伊東純也を絶賛「それほど壁は高く、厚い」
【専門家の目|金田喜稔】右サイドの熾烈なポジション争い「伊東に分がある」
森保一監督率いる日本代表(FIFAランキング20位)は、6月20日のキリンチャレンジカップでペルー代表(同21位)と対戦し、4-1で快勝した。「天才ドリブラー」として1970年代から80年代にかけて活躍し、解説者として長年にわたって日本代表を追い続ける金田喜稔氏は、右サイドの熾烈なポジション争いについて「飛躍を遂げる久保建英や堂安律ですらスタメンに入る余地は少ない。それほど伊東純也の壁は高く、厚い」と考察している。(取材・構成=FOOTBALL ZONE編集部)
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ペルー戦で4-1-4-1システムを採用した日本は、2列目の右で伊東純也を起用。自ら突破するだけでなく高精度のクロスも供給するなどチャンスを何度も演出し、守備でも素早く激しい寄せでチームを助けた。金田氏は「伊東の圧倒的な存在感が際立つゲームだった」と絶賛する。
「伊東はこれまでの日本代表でもコンスタントに活躍し、スピードあふれる突破や絶妙なクロスはもとより、守備でも貢献度は極めて高い。今の伊東を見ていると、飛躍を遂げる久保や堂安ですらスタメンに入る余地は少ない。それほど伊東の壁は高く、厚い」
右サイドには久保建英や堂安律らもおり、ペルー戦では後半26分から久保と堂安がセット起用された。「伊東、久保、堂安は右サイドを主戦場としており、攻撃面では三者三様の特徴がある。それぞれ武器を持っているので、状況や相手によって起用法を変えることができるのは日本の強みと言える」と前置きした金田氏は、三者の実力を認めながら伊東の価値を強調した。
「まず左の三笘、右の伊東が並ぶ形は、個の突破力を生かすのであれば今の日本の最適解に近い。縦にあれほどぶち抜ける伊東のようなアタッカーは貴重だし、カウンターでも脅威を与える。また守備での貢献度、1試合を通じた攻守の運動量という点まで踏まえると、伊東に分があるように思う。プレスバック時の寄せる速さや激しさは際立つものがあり、攻守両面のバランス、インテンシティーの継続性などを考えると、ペルー戦のように伊東を先発起用して、途中から久保と堂安のセット起用などで流れを変えるというのは現実的かつ効果的な一手だろう」
熾烈なポジション争いが続く右サイドは、今後も見どころの1つとなりそうだ。