プレミアの代理人への手数料ランク パニック補強のマンUがリーグトップ4に収まらないワケ

市場の重要人物

 12月に入り、欧州の冬の移籍市場も迫ってきた。その主役は、もちろんプレーヤーだが、移籍が成立するまでに重要な役割を担う存在がいる。クラブとの交渉の場を何度も設け、ようやく契約に至って移籍は実現する。マーケットにおいて代理人はなくてはならぬ存在だ。
 彼らは、選手の年俸またはその契約ごとの報酬の手数料を受け取っている。そのフィーは、数%から20%に及ぶケースも存在する。中でもプレミアリーグは、過去2回の移籍市場で代理人に総額1億1500万ポンド(約218億5000万円)という莫大な金額を支払っている。
 英地元紙「ザ・サン」によると、2013年10月1日から2014年9月30日にかけて、プレミア20クラブの「代理人手数料トップ4」は以下の通りになっている。
1位 チェルシー 1700万ポンド(約32億3000万円)
2位 リバプール 1400万ポンド(約26億6000万円)
3位 マンチェスター・シティ 1300万ポンド(約24億7000万円)
4位 トットナム 1100万ポンド(約20億円9000万円)
 意外なのは、今夏に英国史上最高額の大型補強を決行したマンチェスター・ユナイテッドが、800万ポンド(約15億2000万円)に満たない額に収まっていることだ。アーセナルも430万ポンド(約8億1700万円)と抑えめの金額となっている。
 チェルシーは、補強金額に対し、代理人手数料を多額に払いすぎている印象も受ける。だが、代理人への配慮も怠らないことで、競争率の激しいFWジエゴ・コスタやMFセスク・ファブレガスらを、それほど高額でない移籍金でスムーズに獲得することができたのかもしれない。
 それに対し、マンUは、代理人手数料自体は抑制できているものの、代理人を味方につけることができなかったためにアンヘル・ディ・マリアやラダメル・ファルカオらの契約が破格となってしまった可能性もある。
 どのクラブにも独自の交渉のスタンスがあるため、これが正解という答えがあるわけではない。しかし、代理人という存在はマーケットの重要人物となる分、決して軽んじていい存在でないことは確かである。1月の移籍市場を前に、再び代理人たちはその目を光らせ始めている。
【了】
サッカーマガジンゾーンウェブ編集部●文 text by Soccer Magazine ZONE web
ゲッティイメージズ●写真 photo by Getty Images

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