遠藤航、長谷部・吉田とは違うキャプテン像確立へ 揺るがない「勝利にこだわる集団」への思い
ペルー戦では先発出場すると見られる
森保一監督率いる日本代表は6月20日にキリンチャレンジカップでペルー代表と対戦する。19日には試合会場のパナソニックスタジアム吹田で行われた公式練習に臨んだ。今シリーズで新主将に就任したMF遠藤航(シュツットガルト)は、ペルー戦で先発出場すると見られる。かつて主将を務めたMF長谷部誠やDF吉田麻也の背中を見てきた数少ない選手である遠藤。自身のキャプテンシーについて明かした。(取材・文=FOOTBALL ZONE編集部・小杉舞)
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遠藤の表情は引き締まっていた。今シリーズ招集されている選手のなかで、ロシア・ワールドカップ(W杯)、カタールW杯を2大会連続で経験している唯一の選手だ。ロシアW杯まで長年チームを牽引してきた長谷部元主将の姿を知るのは、今回の招集選手でGK中村航輔、DF谷口彰悟、FW浅野拓磨と遠藤の4人のみ。このなかで、W杯をともに経験したのは遠藤だけだ(浅野はサポートメンバーで1戦目後帰国)。その後、吉田に主将は引き継がれ、今回遠藤が就任した。
「正解はないので常に探しながらだと思う。ハセさん(長谷部)の時のチーム、麻也さんの時のチーム、今の自分がやっているチームは選手も違うので、それを真似して上手くいくとは思っていない。新しいチームでキャプテンをやっていくうえでどんなことをやるべきかというのはその都度、判断しながらやっていくと思う。最終的に自分がどんなキャプテンになっているのか。理想のキャプテン像を聞かれると『背中で引っ張れる』とかなんとなく言っていたけど、実際に『どうなんだろう』とは就任してから考えてもいるし、正解もない。遠藤のキャプテン像をみなさんも見守ってほしい」
そのなかで、絶対的に決めていることがある。それは「チームを勝利にこだわる集団にしないといけないと思う」ということ。今回、主将に就任して、チームは目標をW杯ベスト8から優勝へと“上方修正”した。森保監督も「夢が夢ではなく、(WBCの)栗山監督の言葉を借りれば夢は正夢にできると思っていい。選手たちも2050年までに優勝をということであれば、それを取っ払って今狙っていく。選手たちも3月の活動の時に『目標をてっぺんにしないんですか』と言ってきた」と明かした。
勝ちにこだわる集団へ――。遠藤はその先頭に立ってチームの顔として牽引していく。三笘は遠藤のことを「吉田選手のキャプテンシーとは少し違うと思うけど背中で見せるところも声を掛けるところもある。チームでキャプテンをやっているのでそういう安心感もある」と、頼りにした。
遠藤主将“お披露目”はペルー戦になる。そこにはすでに勝利を追い求める日本代表の姿があるはずだ。
(FOOTBALL ZONE編集部・小杉 舞 / Mai Kosugi)