森保J第2次政権が手にした新たな攻撃ユニット “ファンタスティック5”が秘める中核の期待感
上田×久保×三笘×堂安×旗手がお互いの良さを引き出し合う
森保一監督率いる日本代表(FIFAランキング20位)は、6月15日にキリンチャレンジカップでエルサルバドル代表(同75位)と対戦し、6-0で快勝した。カタール・ワールドカップ(W杯)後3試合目で第2次森保ジャパンの初勝利となった。前半開始直後に相手DFが一発退場となるアクシデントはあったが、先発したMF久保建英(レアル・ソシエダ)、MF三笘薫(ブライトン)、MF旗手怜央(セルティック)、MF堂安律(フライブルク)、FW上田綺世(セルクル・ブルージュ)の東京五輪組が躍動。中盤より前にひしめく若き5人“ファンタスティック5”が第2次森保ジャパンの光明となりそうだ。(取材・文=FOOTBALL ZONE編集部・小杉舞)
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代わる代わる前線へと顔を出し、広い範囲でカバーをし、好連係で崩していく――。1トップに入った上田、左ウイングは三笘、右ウイングが久保、インサイドハーフに旗手と堂安。この5人が織り成す攻撃はまさにファンタスティックだった。
日本はこの日4-1-4-1の布陣で試合をスタート。前半開始10秒で三笘が倒されフリーキック(FK)を獲得。キッカーの久保がDF谷口彰悟(アル・ラーヤン)の頭に合わせる華麗なアシストをして電光石火の先制点を奪った。すると、直後の同2分には一発レッドで相手DFが退場となり、PKで上田がA代表初ゴールで追加点。驚きの幕開けとなったなか、数的有利な状況で同25分には三笘のパスを久保が左足で決めて国際Aマッチ2ゴール目を挙げた。
早くも3-0とリードするなか、前半終了間際には三笘のシュートをGKが弾き、こぼれ球に詰めていた堂安が決め切り4点目。そして後半15分、久保は相手の股を抜くパスで途中出場のMF中村敬斗(LASKリンツ)の初ゴールをお膳立てした。
フル出場の旗手以外は後半20分までに途中交代となったが、5人が揃っていた前半45分はまさに次なる希望を抱かせるラインアップだった。
久保は「(相手が)このレベルだったら贅沢すぎる。明らかに僕たちのほうが質があった」と自信を持ち、三笘も「落ち着いてプレーもしていた。そこに悪いところはなかった」と手応えを得た。
右サイドでは堂安が久保と連係しながらポジションにこだわらず入れ替わりながらも互いに引き出し崩し、久保は個で見せながら周囲をサポートして厚みのある攻撃につなげていく。左サイドの旗手は広い範囲に顔を出し、脅威の運動量で守備までカバーしながら、三笘は縦だけではなく、中央にも入る。時には両サイドバック(SB)をオーバーラップさせて組み立て、上田は1トップとして動き出しやポストプレーでマルチに機能した。相手は10人だったこともあるが、旗手は「10人になったのも綺世のプレス、自分たちのやりたいことをやったうえで10人にさせたのはプラスに捉えたい」と、最初から集中して試合に入っていたからこその数的有利だと強調した。
この“ファンタスティック5”は東京五輪出場組で、互いの良さ、特徴を知っている。連係面が抜群だったこともうなずける。
久保や三笘の強烈な個に加えて、ベルギーリーグで22得点してひと回り成長した上田、インサイドハーフを務めた旗手と堂安も欧州でシーズン通して活躍して頼もしくなった。新たに誕生した攻撃5人組。第2次森保ジャパンの中核として輝きを増していくことだろう。