久保建英、苦悩乗り越えスタメンへ 代表デビューから4年…確固たるエースへ真価問われる一戦
久保は右ウイングで先発起用される見込み
森保一監督率いる日本代表(FIFAランク20位)は6月15日に豊田スタジアムで行われるキリンチャレンジカップ・エルサルバドル代表(同75位)戦に臨む。4年前のキリンチャレンジカップ・エルサルバドル戦で歴代2位の18歳5日でA代表デビューを果たしたMF久保建英(レアル・ソシエダ)は4年間で誰もが認める欠かせない存在へと成長した。今日15日の対戦では右ウイングでスタメン起用される見込みで、久保の真価が問われる一戦となりそうだ。(取材・文=FOOTBALL ZONE編集部・小杉 舞)
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久保にとって、忘れられない一戦がある。4年前、6月9日ひとめぼれスタジアム宮城(当時)——。初めて日本代表としてピッチに立ったのがエルサルバドル戦だった。
「あの時は交代で呼ばれる時、すごく嬉しかったのを覚えています。でも、隣を見たら、中島選手が僕よりも嬉しそうにしていたので、やっぱ代表ってすごい場所なんだなって思いました。今はそれがあるし、当たり前になってきているなかで、嬉しさだったり、楽しさっていうのは忘れずに、代表の価値っていうのを僕たちは上げていければいいかなと思います」
そこから、日本代表の常連として招集されるようになっていった久保だったが、主力として定着するには時間がかかった。初招集から3年が経過した昨年、6月4日に21歳の誕生日を迎えた久保は壁に立ち向かっていた。その直前2日のパラグアイ戦(4-1)で途中出場するも存在感を発揮することはできなかった。この一戦ではこれまで“サブ”としての出番が多かった選手が先発し、のちにカタール・ワールドカップ(W杯)で活躍する鎌田大地や堂安律、三笘薫、浅野拓磨らがゴールやアシストで結果を残した。これに「少し焦りが出た」と複雑な思いを抱えていたことを明かしていた。
「代表に入ってきて一旦フラットな状態からの1試合目で、嫌でも自分の立ち位置が見えてきたからこその焦り。普段はどこか冷静に出番を待っている自分もいたけど、この前の試合は色々と考えることがあってうまく試合には入れなかった」
カタールW杯まで5か月半に迫っていたなかで、日本代表での立ち位置を突き付けられた瞬間だった。
ソシエダで9得点の活躍、満を持して代表戦へ
そして、そのパラグアイ戦から6日後の10日ガーナ戦(4-1)で待望のA代表初ゴールを決めた。国際Aマッチ17試合目でようやく掴んだ1点だった。久保は「このまま一生入らないんじゃないかと思ったこともあった」と、安堵の言葉を漏らしていた。パラグアイ戦での焦りが久保を突き動かし、結果として示した。そこから自身はソシエダへ移籍。所属チームでの信頼を得て、カタールW杯では決勝トーナメント1回戦のクロアチア代表戦は体調不良で欠場してしまったものの、グループリーグの2試合スタメンとしてピッチに立った。
森保第2次政権の初陣となった3月も体調不良があり、練習から十分にこなすことができなかった。それでも、ソシエダで結果を残し続け、今季は9ゴール。各媒体のMVPやベストイレブンに名を連ね、その存在感は海外で増していった。
日本の強みである久保とMF三笘薫(ブライトン)の両サイド。日本のカギとして“久保&三笘システム”で森保監督の第2次政権はW杯でベスト8以上を目指していく。
あの苦悩した日々からさらに成長を遂げた久保が伸び伸びとピッチで輝く姿が見られる一戦になることを期待している。