鹿島×湘南のPK蹴り直し議論 “エリア内侵入”に元Jリーガー本音「これは取らないで」

鹿島のPK蹴り直しを検証(写真はイメージです)【写真:徳原隆元】
鹿島のPK蹴り直しを検証(写真はイメージです)【写真:徳原隆元】

鹿島へのPK判定、その後のPK蹴り直しジャッジを議論

 スポーツチャンネル「DAZN」の判定検証番組「Jリーグジャッジリプレイ」で、6月11日のJ1第17節、鹿島アントラーズと湘南ベルマーレの試合が取り上げられた。この試合では、鹿島にPKが与えられた湘南のハンドの反則について議論された。

【注目】白熱するJリーグ、一部の試合を無料ライブ配信! 簡単登録ですぐ視聴できる「DAZN Freemium」はここから

 後半34分、鹿島のMFディエゴ・ピトゥカがシュートを放ったところで湘南DF大岩一貴がスライディングブロックを試みた。大岩はボールをブロックできなかったがゴール側にいたDF石原広教に当たって跳ね返り、うしろから大岩の腕に当たったものを上田益也レフェリーがハンドと判定して鹿島にPKを与えた。

 ゲスト出演した元日本代表DF坪井慶介氏は「心情的にはハンドでなくしてほしいけれども、競技規則上はハンドでしょうね」とコメント。同じくゲスト出演した元日本代表MF福西崇史氏は「可哀そうと言っていいくらい。見えていないし、止めなきゃという思いで届かなくて、ああとなっている時にうしろから当たっている」と話す。

 そして、「心情的には選手みんながハンドではなくていいと思うのではないか」とコメントした。シュートが直接大岩の腕に当たった場合は反則で問題のない腕の出し方になっていたが、ボールが通過したあとに跳ね返って背後から当たっている点で同情的な空気になった。

 元国際審判員・プロフェッショナルレフェリーの家本政明氏は「競技規則上、これだけ(腕を)大きく上げているという事実があるので、主審の判断は否定されるものではないと思う」ということを前提に、「競技規則の冒頭にあるフィロソフィー&スピリット(基本的考え方と精神)の部分だと思う。ここで(主審が)出て行く必要があるか。主審の判断は間違いではないけど、そこから離れて考え方の部分と照らし合わせた時には議論の余地がある、あるいは観点が変わるのかなと思う」と話す。そして、主審がノーファウルとして問題にならないかという点についても「そう信じたい」と話した。

「競技規則上というベースは大事」PK蹴り直しに持論

 また、このプレーで与えられたPKは鹿島のFW鈴木優磨がキックするもGKソン・ボムグンがセーブし、石原がこぼれ球をクリアした。しかし、柿沼亨VAR(ビデオ・アシスタント・レフェリー)から石原が鈴木のキックの瞬間にペナルティーエリア内(ライン上も内側と判断される)に侵入していたという情報が入り、上田レフェリーはPKのやり直しを命じた。石原はラインを踏んでいるくらいの位置だった。GKが弾いたボールを石原がプレーしたため、VARの介入条件を満たした。

 福西氏は「ほぼみんながキッカーとGKに集中している状況なので。まあ(ノーファウルで)良いのかなと。明らかに入ってしまっていればキッカーの視野に入る可能性もあるけど、確実にならというところで。線引きの難しさ。ルール上は確かに入っているので」と話し、坪井氏は「お願い、これは取らないで、そのまま流して」と元DFの立場から話した。一方、両者とも「規則上は」と、やむを得ないという考えも口にした。

 家本氏も「競技規則上というベースは大事」として、「ラインを踏んでいる以上は、ラインはペナルティーエリア内となるので、ハッキリとした明白な違反が行われたという点ではVARも主審も否定されるものではない」とコメント。一方で「これをやるなら、すべてこうしてねとなってしまうシーン」と、どこまで厳密さを求めるかという点では疑問を呈していた。

page1 page2

今、あなたにオススメ

トレンド

ランキング