女子W杯、放映権の行方は“不透明”…田嶋会長が現況を報告 「強豪国が結んでいない」「FIFAとテレビ局がやっている」
世界一奪還を目指すが放映権はいまだ決まらず
JFA(日本サッカー協会)は6月13日、7月20日に開幕するオーストラリアとニュージーランドで共同開催の女子ワールドカップ(W杯)メンバー23人を発表した。主将のDF熊谷紗希(ASローマ)らが選ばれたなか、10番を付け、エースとして牽引してきたFW岩渕真奈(トッテナム)が外れた。
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なでしこジャパン(日本女子代表)は7月14日にMS&ADカップ・パナマ女子代表戦(宮城/ユアテックスタジアム仙台)を経て、W杯の本戦に突入。世界一の奪還を目指す大会では7月21日にザンビア女子代表戦、26日にコスタリカ女子代表戦、31日にスペイン女子代表戦に臨む。そのなかで、テレビ放映権が決まっていないことについて、田嶋幸三会長が説明した。
「FIFA会長が総会で、その後の様々なインタビューでも、男子と女子を差をなくしていくことを、この考え方は非常に賛同できるものです。FIFAカウンセルとしても、賞金や選手への賞金も今までにない高額なものになったのは1つの表れになった。FIFAの言っていることには非常に同意することです。テレビ放映権につきましては、今までFIFAと各国の放送が決めてきたこと。それについて日本サッカー協会は全く関わっていません」と、これまで協会の介入がなかったことを強調。
さらに、各国が同じような状況に陥っているという。「今回、まだ放映権ができていない国が日本だけでなく、日本、中国、ドイツ、イングランド、スペイン、イタリアも強豪国が結んでいない。アメリカ、それから韓国、これはどのような契約をしたか分からないが、カタールW杯で契約したと聞いている。放映権が日本の市場価値と結びついていない。放映する局が決まっていない放映されるかどうかわからないことには大きな懸念を抱いています。先週、イスタンブールでドイツ協会とこの話をしたが、全く同じ状況。FA各国協会がそれに関わることは今までもしていないし、関われない。そこはFIFAとテレビ局がやっている」と、放映権と市場価値のアンバランスさが問題を引き起こしていると指摘した。
よって、不透明な状況のまま本大会まで残り1か月となってしまった。「進捗状況としては動いていない。つい最近もFIFAが日本や中国を訪れたと聞いているが、詳しい交渉状況は聞いていない。聞かされたのは決められていないこと。つまり隔たりがある。どういう形であるか別にしても、解決していただき、多くの国民の皆さんに見て、応援していただけるように望んでいる。我々ができることがあるとしたら何があるか、そのことも含めて考えていきたい」と、明かした。
協会としては積極的に関わることができない以上、FIFAからの反応を待つのみだが、「現状でいえばFIFAプラスでは無料で見られる。地上波でやる大切さを僕らは訴えたい。FIFAもそのことは分かっている。地上波でやることを前提に各国詰めに入っていると聞いている。FIFAは楽観的じゃないが、解決するとコメントを聞いている」と、本大会までに契約が完了することを期待した。