元ミラン“名物会長”ベルルスコーニ氏の訃報を現地が一斉報道 86歳の生涯に幕
近年ではモンツァを買収しセリエAへの昇格に導いていた
元イタリア首相で、サッカー界ではイタリア・セリエAの名門ACミランの名物会長として有名だったシルビオ・ベルルスコーニ氏が6月12日に亡くなった。イタリアメディアを中心に一斉に報じられた。
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ベルルスコーニ氏はイタリアで1994年に第50代首相となったのを含め、間を空けながらも4回にわたって首相を務めた。そして、サッカー界では1986年にミランを買収すると一気に投資を行い、オランダトリオと呼ばれたMFフランク・ライカールト、MFルート・フリット、FWマルコ・ファンバステンの獲得などチームを強化。戦術家でありサッカー界に革命を起こしたともされるアリゴ・サッキ氏を監督に据えて黄金期を作り出した。
チームの調子が悪ければプライベートヘリで練習場に乗り付けて激励。トップ下を配置する攻撃的サッカーを愛し、それ以外の戦術を採用する指揮官を酷評するなどミラン愛があふれるあまりに現場介入をライフワークとした。移籍市場では右腕であるスキンヘッドの辣腕ディレクター、アドリアーノ・ガリアーニ氏とのタッグで水際だった立ち回りを見せることでも知られた。
衛星放送「メディアセット」を自身の経営するフィニンベスト社の傘下に収めるなどメディア界でも重鎮だったが、2015年には財政難からミランの株式のうち過半数を売却し、オーナーの座から退いた。近年ではガリアーニ氏と最タッグを組んでミラノ近郊に本拠地を置くモンツァを買収し、セリエAへの昇格に導いていた。
政治家としては数々の問題発言でも知られたベルルスコーニ氏だが、近年は体調を崩して療養が続いていたという。サッカーの歴史の中でも間違いなく名を残す元ミランの名物会長は、86歳の生涯に幕を閉じた。
(FOOTBALL ZONE編集部)