FWからDFへ…浦和Lの安藤梢、今季WEリーグMVPに輝く 「40歳の私に新たな目標を与えてくれてありがとうございました」
楠瀬監督の采配で、ベテランFW安藤はセンターバックとして今季プレー
女子サッカーのプロリーグ「WEリーグ」で、今季の表彰を行う「2022-23 WEリーグアウォーズ」が6月12日に開催され、最優秀選手賞(MVP)には、シーズン中にセンターバックにコンバートされたベテランDF安藤梢(三菱重工浦和レッズレディース)が選出され、ベストイレブンとのダブル受賞となった。
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リーグ発足から2シーズン目の今季は浦和Lが強さを見せ、リーグ最多の50得点をマークするなど20試合で勝ち点52を積み上げて初優勝を飾った。優秀監督賞は浦和を率いた楠瀬直木監督が受賞。若手の抜擢やベテランFW安藤のコンバートなど思い切った采配も振るった指揮官は「選手とスタッフのおかげで優勝させていただいた。メンバーに惜しくも入れなかったり、ベンチを温めたりといった選手もトレーニングでバチバチやってくれた。その底上げがあったので結果を得られた」と話した。
得点王は14得点をマークした日テレ・東京ヴェルディベレーザのFW植木理子が輝き、「得点を取るのが自分の仕事だと思っているので、この賞をチームに持ち帰れるのがうれしい」とコメント。また、今季から新設された審判員への表彰になる最優秀主審賞は小泉朝香氏、最優秀副審賞は高橋早織氏が受賞した。
すでに発表されていた30人の優秀選手賞の受賞選手から選ばれるベストイレブンは、優勝の浦和Lから最多の5人が受賞。2位のINAC神戸レオネッサと3位のベレーザから3人ずつと上位チームの選手が占めた。得点王の植木や、浦和の主将MF柴田華絵らが選出された。安藤は「自分のサッカー人生の中でDFでベストイレブンをもらえると思ってもいなかった。驚きとうれしい気持ちでいっぱい。若い選手たちにミスをした後に気持ちを切り替えろと渇を入れていた。DFとして自分がミスをして失点した時に私の中のリトル梢が落ち込んでいたけど、若い選手が渇を入れたり得点を決めてくれたりしたので受賞できた」と話した。
そして、MVPは安藤がダブル受賞。ドイツでのプレー経験も持つ1982年生まれのベテラン安藤はアタッカーが本職だが、最終ラインに負傷者が出たこともありシーズン中にセンターバックにコンバートされ、若手を支えつつチームを優勝に導いていた。安藤は「信じられない気持ち。ベストイレブンをいただいただけでもすごく光栄で、MVPは考えていなかった。WEリーグができて、そのプロリーグで浦和レッズレディースで優勝するのが新たなチャレンジで目標になっていた。女子サッカーをプロ化してくれた関係者や皆さんに感謝しています。40歳の私に新たな目標を与えてくれてありがとうございました。年齢は数字だというのを、まだまだ証明したい」と話した。
プレゼンターは2011年の女子ワールドカップ(W杯)をチームメートとして勝ち取った元なでしこジャパンの澤穂希氏が務め、「彼女が16歳の時から一緒にサッカーをしていて、サッカーに対する情熱、姿勢、向上心は私自身も現役の時から学んでいた。年齢に関係なく人一倍走っている、努力している姿勢には外から見ても感動をいただいている」と称えていた。
来季はセレッソ大阪ヤンマーレディースの参入により、12チームでの戦いになることが決まっている。シーズンオフにはオーストラリアとニュージーランドで共催の女子ワールドカップ(W杯)も開催されるだけに、この表彰を受けた選手たちが代表チームで活躍する姿も期待される。
発表されたベストイレブンは以下の通り。
GK
山下杏也加(INAC神戸レオネッサ)
DF
安藤 梢(三菱重工浦和レッズレディース)
石川璃音(三菱重工浦和レッズレディース)
守屋都弥(INAC神戸レオネッサ)
MF
猶本 光(三菱重工浦和レッズレディース)
清家貴子(三菱重工浦和レッズレディース)
柴田華絵(三菱重工浦和レッズレディース)
藤野あおば(日テレ・東京ヴェルディベレーザ)
木下桃香(日テレ・東京ヴェルディベレーザ)
FW
植木理子(日テレ・東京ヴェルディベレーザ)
田中美南(INAC神戸レオネッサ)
(FOOTBALL ZONE編集部)