ザックジャパンの主力DF候補 森重真人が飛躍のために決別したもう一人の自分とは

ファウルトラブルの裏に隠されていた森重の欠点


  「自分のミスで試合を台無しにしたこともあった。カードの枚数も含めて個人として反省しないといけない。自分だけでなく、チームにも迷惑をかけた。気持ちにムラがあって幼いプレーをしてしまったことには、反省の言葉しかない。人としてもっと成長しないと」
  自責の念にかられても、時間は取り戻すことはできない。自分の獲得に尽力した城福はシーズン途中で任を解かれ、代わって監督に就任した大熊清もチームを建て直すことができず。東京はクラブ史上初のJ2降格を味わった。
  この森重のファウルトラブルには原因があった。攻守で才気にあふれ、一見スキのない森重には欠陥があったのだ。それを突き止めた人物がいる。当時ヘッドコーチを務めていた長沢徹(現J2岡山コーチ)である。
  長沢はシーズン終了後、2010年の森重の1対1の場面をすべて見返し、ある法則を見つけた。森重には、ドリブルで仕掛けられたときのボール奪取成功率に左右で大きな開きがあったのである。
  長沢は森重自身にはそのことは言わなかった。フィジカルコーチにだけ伝え、ステップワークを改善するよう指示を出した。森重のもともとのポジションはFW。年を追うごとにポジションを下げていき、DF転向はプロ入り後のことだった。素養は備えていても、経験がモノをいう守備には改善の余地がいくつも残されていたのだ。  

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