J1鹿島×湘南、“PKやり直し”が起きた理由は? 不運なハンドから生まれた事象が話題に「理解が難しい」「可哀想すぎる」
味方から跳ね返ったボールが手に当たる不運なシーンに注目
6月11日のJ1リーグ第17節、鹿島アントラーズ対湘南ベルマーレの試合は1-0でホームの鹿島が勝利を飾った。後半34分に鹿島に与えられたペナルティーキック(PK)につながったハンドの判定と、その後の“PKやり直し”のシーンが話題を呼んでいる。
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前半43分に得たフリーキックで、FW樋口雄太が放った一撃でネットを揺らした鹿島。1-0のまま試合が進むなか、後半34分に再びホームチームがビッグチャンスを迎える。
MFディエゴ・ピトゥカがペナルティーエリア外から強烈なシュートを放つと、ブロックに入った湘南DF石原広教の足に当たる。跳ね返ったボールが、前方でスライディングブロックを試みたDF大岩一貴の上げた右腕に当たってしまう。
このシーンで上田益也主審は、大岩のハンドを取り鹿島にPKを与えた。ビデオ・アシスタント・レフェリー(VAR)チェックは入ったものの判定は変わらなかったが、このPKを鹿島FW鈴木優磨がゴール右にキックするもGKソン・ボムグンが見事セーブ。湘南は難を逃れたかに思われた。
しかし、しばらくしてプレーが切れると、上田主審がVAR側と交信。守備側(湘南)の選手がPKのキック前にペナルティーエリア内に侵入したとして、PKのやり直しとなっている。ただ、鈴木の2度目のキックもソン・ボムグンが再びセーブ。1本目とは逆に蹴り込んだキックを読み、見事弾いてみせた。
湘南としては2度の冷や汗をかく場面となったが、SNS上でもこのシーンは話題を呼んだ。まず、PKにつながったハンドの判定について、「可哀想すぎる」「PK厳しすぎない?」「不運なハンド」「手の位置が悪かった」「理解が難しい」といった声がファンからあがっている。
PKのやり直しは、湘南MF中野が直接プレーに関与したためか
一方、“PKやり直し”に関してライン上に湘南選手の足が乗っているような映像が、試合を中継したスポーツチャンネル「DAZN」内でもリプレイで流れた。侵入している割合が微妙で見定めにくいことから、SNS上で「おかしい」「納得いかない」といった意見もあがっている。
ただ競技規則上、VAR介入の4つの条件のうち、「得点か得点でないか」には「ペナルティーキックを行う時のゴールキーパーやキッカーによる反則や、攻撃側または守備側の競技者がペナルティーエリアへ侵入し、ゴールポスト、クロスバー、またはゴールキーパーから跳ね返った後、プレーに直接関与した場合」という文面がある。
この条文と照らし合わせると、GKにセーブされたボールをクリアした湘南MF中野嘉大が該当する可能性が高い。また、ペナルティーエリア内とされる範囲は、そのライン上も含まれる。映像でも中野がペナルティーエリアラインを踏んでいるようにも見えるため、この部分についてVARが助言したと考えるのが妥当だろう。
昨シーズンのJ1リーグ第13節、鹿島対北海道コンサドーレ札幌戦でも似たような場面があり、スポーツチャンネル「DAZN」の判定検証番組「ジャッジリプレイ」でも解説が行われている。難解なルールが重なってしまった今回のPK事象が、大きな話題を呼んでいることには間違いない。