松木玖生の一発退場をどう捉える? 監督はコメント回避、ベテラン森重は「わざとやったとは思わない」と言及
小泉慶の膝の怪我により、急遽後半開始からピッチへ
ゲームを左右するレッドカードだった。6月3日に行われたJ1リーグ第16節のFC東京と横浜F・マリノスの一戦は、後半17分に横浜FMがFWアンデルソン・ロペスの同点ゴールで2-2に追い付いていた。勝ち越しゴールをどちらが挙げるかというなかで、同22分に途中出場したFWマルコス・ジュニオールが顔を抑えてピッチに倒れ込んだ。ボールを保持していたU-20日本代表MF松木玖生にチェックに行った際、松木が振った腕が顔に当たっていた。
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清水勇人主審は、プレーを流していたが、ビデオ・アシスタント・レフェリー(VAR)からオンフィールドレビューを求められて映像を確認すると、後半開始からピッチに立っていた松木にレッドカードを提示した。ベンチ前で不満を大きくアピールしていたアルベル・プッチ・オルトネダ監督は、試合後の記者会見で同点に追い付かれた場面まで振り返ったあと、「これ以降に関しては、コメントを控えたい。サッカー以外の部分にコメントをしないといけないからです。いずれにせよ、選手たちは試合終了の笛が鳴るまで、勝利を目指して戦ってくれたことを誇りに思う」と、ジャッジについての発言を回避した。
そして、「玖生の投入は、戦術的なものではなく、(小泉)慶の膝の怪我によるものです。玖生には15分、20分ほどプレーさせようと今朝から話していましたが、予定外の形で、あの早い時間帯に投入することになりました。試合展開によっては、今日も起用しない可能性がありました」と、アルゼンチンから帰国したばかりの松木の出場が想定外だったことを明かしている。
FW仲川輝人は、「すべては退場が全部を変えてしまった。あそこからじゃないですかね。判定にどうこういうつもりはないですけど、納得はできないですよね」と言い、「引いて守っていてもボールを持たれて崩されるので、どこかで行こうという話はしていました。それでも気温も上がったなかで、頑張りましたけど、最後のクオリティーでやられたんじゃないですかね」と、数的不利になってからの難しさを口にした。
森重は「玖生のせいじゃない」と声かけ
映像を見たDF森重真人は「間違いなく肘が当たっているのは認識できているので、不運だったんじゃないかなと思います」と言い、「でも、玖生がわざとやったとは思わない。サッカーをやっている人であれば、ああいう形で腕を使うことになるのは分かると思う。たまたまマルコス選手の顔があそこにあった。あれが違う選手であれば、顔に当たっていないだろうし、サッカーをやっている人であれば、分かってもらえると思う」と、松木に相手を傷つける意図がなかったことを強調した。
そして、森重は試合後には松木に対しても、責任を感じすぎないように伝えたという。「玖生のせいじゃないよとは言いましたが、責任感の強い選手なので。でも、今までも玖生の姿勢を見ていれば、責めることはできない。そういう判定になったことは不運だったとしか言いようがない」と、コメントした。
首位のヴィッセル神戸、横浜FMとの連戦を同じ2-3というスコアで連敗したFC東京は、次節、負傷した小泉と出場停止になる松木を欠く見込みだ。アルベル監督は「シーズン頭のような形で、複数の選手が不在になる形になってしまいました。この6か月間、同じメンバーで連続して戦うことができていない。それが今の状況です」と、嘆いた。