ボランチ→トップ下起用で新境地 浦和MF安居が京都戦で監督から“カミナリ”を落とされた理由は?
京都戦の前半はボールロストが多く、スコルジャ監督から厳しい声が上がる
浦和レッズのMF安居海渡は、今季は本職のボランチではなくトップ下でポジション争いに加わって出場機会を増やしている。5月27日に行われたJ1リーグ第15節京都サンガF.C.戦ではチームが2-0で勝利したものの、ハーフタイムにはマチェイ・スコルジャ監督によるカミナリが落ちたことを明かした。
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安居は昨季に流通経済大学から浦和へ加入。流経大の中野雄二監督はOBの日本代表MF守田英正(スポルティング)よりも将来的に可能性があると評した。出身が川口市で高校は浦和の本拠地、埼玉スタジアムからすぐ近くの浦和学院高校だったこともあり、地元でのプロ入りという感があった。しかし、リカルド・ロドリゲス監督の指揮下ではダブルボランチの候補として「5人目」の評価だったことが明らかで、ほとんど出場機会を得られなかった。
スコルジャ監督の就任した今季もボランチは激戦区のままだが、安居はトップ下での出場機会が増えている。指揮官にミドルシュートの上手さを見出されたことも要因の1つで、今季チームの3試合目になったリーグ戦セレッソ大阪戦(2-1)で初出場して決勝ゴールを奪い、そこから途中出場も含めて全ゲームに出場している。
安居自身はトップ下でのプレーを「トップ下をやるにあたって、その位置でもボランチのような動きを使用と思っている。1つ高い位置なのでシュートの意識も監督から言われるけど、その位置で多くボールに関われればスムーズに回ると思うので、そうやっている。その高い位置で守備能力も出せるようになってきていると思う」と話す。そして、「セレッソ戦でゴールしたことで試合に絡んでいると思うけど、またどこかで点を決めたい。そういうアピールがなくなるとマイナスになる。分かりやすい結果が出れば、試合に絡んでいける可能性が上がると思う」と、その意識を話した。
一方で、京都戦は前半からチームの出来も悪く、相手のプレスを受けて自陣でのボールロストもかさんだ。安居によると、「ハーフタイムに結構、怒鳴られた。そこで空気も変わったと思う。自分たちのエリア内でのパスミスが多くあったので、そんなことをするなら前に蹴って押し上げようとも言われた」と、スコルジャ監督からの厳しい声があったという。
5月31日にはサンフレッチェ広島と戦う浦和だが、ミヒャエル・スキッベ監督が率いる広島もまたハイプレスを基調としたチームだ。安居は、まずは自分たちのやりたいことをやってみるほうがいいとしながらも、「やりたいサッカーは速くサイドを変えながらつなぐことだけど、それだけじゃいけない。そういうときに背後を狙うのは試合の状況で変えるのも必要だと思う。最初はつなぐ意識でいいと思うけど、それで難しければ背後を狙うのも必要だと思う」と、柔軟性を持った試合の運び方が必要という考えも話した。
5月20日のアビスパ福岡戦から、それまでスタメン出場が続いていたMF小泉佳穂が「メディカル的な理由」(スコルジャ監督)によって登録メンバーを外れている。存在感を増している安居が、当初の評判通りのところまで成長を続けていけるのかも注目される。
(轡田哲朗 / Tetsuro Kutsuwada)