ハリルジャパンに押し寄せる“世代交代の波” 大迫と清武の新ユニットが岡崎と香川に挑戦状!
旧態依然とした代表の世代交代を活性化
1トップで先発出場した大迫は、前半32分に左からのクロスに頭で合わせて先制点を奪った。フィニッシュの瞬間にポジションが重なったFW本田圭佑の存在を気にせず、鮮やかに決めている。
そして同41分には、エリア内でパスを受けると巧みなターンでDFをかわし、右足のシュートで2点目を叩き込んだ。いずれのゴールもトップ下に入った清武のお膳立てから決めたもの。ロンドン五輪代表からともにプレーする2人が絶妙なコンビネーションを披露し、日本代表のセンターラインに新たなコンビが誕生した。
「トップ下にキヨくん(清武)がいたし、ゴール前でパワーを使えるようにしました。FWひとりじゃどうにもならない。関係がないとダメだし、今日はうまくキヨくんが僕のことを見てくれたから、うまくゴールに向かうことができたかなと思います」
ハリルジャパンの1トップは、これまで代表通算49得点のFW岡崎慎司(レスター)が不動の存在だった。そしてトップ下も背番号10のMF香川真司(ドルトムント)の定位置として揺るぎないものだったが、この日は大迫が2得点、清武1得点2アシストと強烈な存在感を示し、岡崎と香川に挑戦状を叩きつける形となった。
ワールドカップアジア最終予選では、9月1日の初戦UAE戦で黒星スタートといきなり躓き、代表での世代交代や新戦力台頭が叫ばれていた。大迫、清武という新たな攻撃ユニットが文句なしの結果を出し、指揮官に猛アピール。世代交代の波が一気に押し寄せそうな気配が漂う。好連係を見せた2人は旧態依然としたハリルJの世代交代を促進させ、サウジ戦の先発のピッチを踏むことができるだろうか。
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フットボールゾーンウェブ編集部●文 text by Football ZONE web
ゲッティイメージズ●写真 photo by Getty Images