川崎の鬼木監督、浦和戦の勝敗分けた“ライン設定”に悔しさ吐露 「少し下がってしまった」
ルヴァン杯浦和戦で1-2と逆転負け
川崎フロンターレは5月24日、ルヴァンカップのグループステージ第5戦で浦和レッズと対戦し、1-2の逆転負けを喫した。鬼木達監督は「相手のボールの動かし方で少し下がってしまった」と、持ち味を出せなかった部分を悔やんだ。
川崎は前半3分に右サイドからMFジョアン・シミッチが入れた逆サイドへのパスをファーサイドで足もとに収めたFW瀬川祐輔がニアサイドにシュートを流し込んで先制に成功した。その後の時間帯も前向きなエネルギーを出したが、徐々に浦和にボールを支配される展開になった。
後方でボールを安定させる浦和に対してなかなかプレスの人数を合わせられず、ボランチのラインから外国籍アタッカーにシンプルにボールを入れてくる浦和に押し込まれた。鬼木監督は「意図して下がったわけではないです、相手のボールの動かし方で少し下がってしまった。前半からそうなってしまった」と振り返った。
もとより、相手ボールの時間が長いサッカーを持ち味としているわけではないだけに、鬼木監督も後半へ向けての修正として「ボールを持たれる時間が長いと得点機会が減るので、後半は高い位置から取りにいけるように声がけをした」と話す。しかし、センターバックのDF車屋紳太郎が相手FWホセ・カンテの降りる動きについていった背後を埋めきれずに同点ゴールを奪われるなど、狙いと噛み合わない部分も出てしまった。
最終的には終了間際に相手クロスからオウンゴールが生まれて1-2の敗戦。これで勝ち点5にとどまった川崎は、最終戦で湘南ベルマーレに勝利して、浦和と清水エスパルスの試合がどちらかの勝利で決着すると勝ち点8の2位になる。そのうえで、5グループの2位のうち上位3チームがベスト8入りするレギュレーションの最後の一枠を勝ち取れるかどうか、ほかのグループの結果を待つという、敗退は決まらなかったものの厳しい条件がわずかに残るのみとなった。
負傷者も多く、リーグ戦でも思うように勝ち点を伸ばせていない状況に鬼木監督は「スポーツは気持ちの部分で前向きに戦えるかどうかでアグレッシブさを出せたり、最後の集中力になる。決して集中していないわけではないですが、自信を持って耐えられる時と、不安のなかで耐えている時では大きく違う。同じ0-0でも前へ前へとどんどん気持ちを出せる状況を作り出すことが自分の仕事。選手たちには切り替えることと、すぐに準備することを要求した。サッカーはその繰り返しだと思っている。受け止めるべきところは受け止めて、試合は続いていくので人生と同じで一歩ずつ進んでいくしかない」と、前を向いた。
ここ6シーズンで4回のリーグ優勝を果たしていることからもチームの持つ地力に疑いはないものの、この時期、状況を打破できるかはシーズンに大きな影響を与えそうだ。
(轡田哲朗 / Tetsuro Kutsuwada)