浦和17歳MFが放つ“プロ選手”としての存在感 戦力として計算される理由「最初に比べて落ち着いてプレーができている」
浦和はルヴァン杯川崎戦で2-1の逆転勝利
浦和レッズは5月24日にルヴァンカップのグループリーグ第5戦で川崎フロンターレと対戦し、2-1の逆転勝利を収めた。ユース所属で二種登録の17歳MF早川隼平はトップ下でスタメン出場し、堂々たるプレーを見せた。
直近のリーグ戦からスタメン11人を全て入れ替えた試合で早川はトップ下で出場。周囲にはFWホセ・カンテ、MFダヴィド・モーベルグ、MFブライアン・リンセンの外国籍アタッカー3選手が並び、川崎はアンカーにMFジョアン・シミッチが配置されたため、周囲がすべて外国人選手と言えるような環境でのスタートになった。
それでも全く年齢を感じさせない落ち着いたプレーを見せ、「最初トップ下って言われてからは、周りは外国籍選手の3人だったので、彼らは自由にやるなっていうのは普段の練習からもあった。自分がそこに気を遣ってやっていけたらいいなというのは思って臨みました」と話す。そして、カンテが中盤に降りて受けるプレーを好むだけに早川は最終ライン背後への抜け出しを多用した。
前半にはDF岩波拓也からのフィードに抜け出し、わずかにボールと合わなかったものの、あわや決定機という場面も作った。「ずっと岩波さんも犬飼(智也)さんも見てくれている。そこは意識してやってきたので、あとは自分の最後の出ていくタイミングをワンテンポ早くするとかをもっと意識していけたら」と貪欲さを見せた早川だが、「自分が裏に抜けるというところで、相手のディフェンスを下げる」と、周囲にスペースを作る動きにもなり、川崎の長所である高い位置で試合を進める展開に持ち込ませないプレーにもなった。
プロデビューは4月5日のルヴァン杯、川崎戦だっただけにまだ2か月に満たない。それでもすでにリーグ戦への途中出場もあり、AFCチャンピオンズリーグ(ACL)決勝ではアル・ヒラル(サウジアラビア)とのアウェーゲームにも途中出場。すでにトップチームの練習へ常に同行し、マチェイ・スコルジャ監督も「特に早川隼平は非常にいい選手だし、明るい未来が待っていると思う」と話すなど、すでに戦力として組み込まれている。
そうした環境について「最初に比べたら、ちょっと落ち着いてプレーができているのかなと思います。時間を作るようなプレーとか、自分が前だけじゃなく、ちょっと後ろに下がってボールを受けに行くとか、そういうところを含めて少しはできてきているのかなと思います」と話す。デビュー戦では角度のないところから強引なシュートを放って「周りが見えていなかった」と話したこともあるが、すでにプロのピッチの中での落ち着きを手にしつつある。
浦和には日本人、外国籍を問わずに多くのアタッカーが所属するだけに、「ここで生き残っていかないといけないですし、本当に層は厚い」と話す早川だが、その多士済々なメンバーの中でもすでに1人の選手としての地位を確立しつつある。