鄭大世は「ノーファウル」大久保嘉人は「ファウル」 FC東京×鹿島、物議のPK判定に元主審の見解は?
FWディエゴ・オリベイラの倒れた判定を大久保氏は支持「僕も倒れて、抗議する」
スポーツチャンネル「DAZN」の判定検証番組「ジャッジリプレイ」で、5月20日のJ1リーグ第14節、鹿島アントラーズとFC東京の試合が取り上げられた。この場面では、ペナルティーキック(PK)を巡るシーンが議論になった。
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この試合は前半25分、FC東京が左サイドからアーリークロスを入れた場面でFWディエゴ・オリベイラが反応。鹿島のDF関川郁万との競り合いでPKの笛が吹かれた。関川がオリベイラを押したようにも見えるが、接触は軽微にも見える場面で議論を呼んでいた。番組が独自に取ったアンケートでは、PK判定を支持する声は30%だったとしている。
ゲスト出演した川崎フロンターレなどでプレーした元北朝鮮代表FW鄭大世氏は「僕の意見では明らかにノーファウル。FWの心情からすれば明らかに自分の頭を越えたボールで、無理だな、厳しいと思ったけど、押してくれてありがとう、倒れてファウル、どう? みたいな感じなので。これは絶対に流すべき」と話した。
一方で、同じくゲスト出演した元日本代表FW大久保嘉人氏は「最初に見ていた時は、なぜ倒れたの? と思ったけど、明らかに関川選手が遅れている。やばいと思って体を入れられたので手が出てしまった。関川選手がディエゴ選手の足につまずいて、遅れている。それで手を出しているので、ファウルだと思う。FWからすると倒れたくない。審判もよく見ていたと思う」と判定を支持した。
また、FWの心理について鄭大世氏は「僕はこういう状況で倒れたらFWは負けだと思ってやっていたし、カッコ悪い」とコメント。一方の大久保氏は「自分だったら、あ、(ボールが)来たなと思う。そして、走る時に体重が前に乗るじゃないですか。その時に押されると、いくら我慢していても倒れてしまう。僕も倒れて、抗議すると思う」と話した。
元国際審判員・プロフェッショナルレフェリーの家本政明氏は「手がコンタクトしていることと、動くことは客観的な事実。ただ、競技規則ではそれだけでファウルではなくて、不用意に、無謀に、過剰な力でという主審の判断が加わる。1が反則になる場合もあるし、1は0に近いという場合もある。個人的には、僕がレフェリーなら続けさせる(ノーファウル)」と、押した力の程度をレフェリーが見るかの個人差があることを示した。
鄭大世氏はオリベイラの動きについて最初から関川の前に立っていると指摘し、「ディフェンスの背後で視野から消えたところから前に入って押されるならファウルもあるけど、前に立つと同一視野で見られている。ロングボールの時にDFはこいつさえ押さえればゴールにならないから、絶対に押す。審判がそれを分かっていれば、あの状況になっている時点でファウルにならない。プレースタイル的に激しいタイプで、押す行為の足もとをすくわれてファウルになったけど、それを見てほしいとプレーヤーの時から思っていた」と、意見を話していた。