「こんな光景見たことない」 ヴィニシウスの頬に涙…敵サポの人種差別行為に海外非難
バレンシアサポーターから人種差別被害、暴言騒動の余波拡大
スペイン1部レアル・マドリードのブラジル代表FWヴィニシウス・ジュニオールが、現地時間5月21日のラ・リーガ第35節・バレンシア戦(0-1)の試合中、相手サポーターから人種差別的な暴言を浴びる被害に遭う事態に見舞われた。この一件の余波が拡大するなか、侮辱的な言葉を受け涙する光景を引き合いに、海外メディアは「ヴィニシウスが受けた嫌がらせ、脅迫、圧力は言語道断だ」と非難の声を上げている。
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バレンシアとのアウェーゲームでヴィニシウスは後半途中、相手サポーターから人種差別的暴言に晒されたと主張。抗議の意を示したことで試合がおよそ10分に渡って中断する一幕もあった。これまでも同様の暴言を浴びせられてきたヴィニシウスは、自身のSNS上で「これは初めてでも、2回目でも、3回目でもない。人種差別はリーガでは普通のことだ。リーグも連盟もそれが普通だと思っているし、対戦相手もそれをするように仕向けている」と声を上げている。
レアルを率いるカルロ・アンチェロッティ監督も「今日見たことは受け入れがたいものだ。スタジアム全体から人種差別的なチャントが聞こえた」と相手サポーターの行為を問題視。「レフェリーには試合を止めるべきだと話した。ラ・リーガは問題を抱えている。私にとってヴィニシウスは世界で最も重要な選手だ。このような出来事が起きた時は試合を止めなければならない」と持論を語った。
一向に絶えないヴィニシウスへの人種差別行為への余波は拡大し、海外メディア上でも大きくクローズアップ。レアル専門メディア「Planeta Realmadrid」でもこの一件に焦点が当てられ、侮辱被害を受けたあと、ピッチ上で涙を拭うヴィニシウスの姿に脚光を当て「侮辱を受け涙ぐむヴィニシウス:こんな光景見たことない」と見出しを付けて非難の声を上げている。
記事では「サッカー界にとって非常に悲しい1日となった。スタジアム周辺では、人種差別主義者が中心となって暴れた。被害者はヴィニシウスで残念ながらこれは日常茶飯事だ」と人種差別が横行しているラ・リーガの現状を糾弾。「このような行為を繰り返すことを容認することはできない。ヴィニシウスが受けた嫌がらせ、脅迫、圧力は言語道断だ。若者は涙をこらえることができず、泣いていた」と綴っている。
22歳のヴィニシウスは昨季リーグ戦で17ゴール13アシストを挙げ、チームの優勝に貢献した。今季もここまで10ゴール10アシストと活躍を見せる一方、人種差別の標的となる問題がまたも表面化。悲しい実態に晒されている事実をサッカー界へ投げかける形となった。