なぜ不況でも衰えない? 現地から見えてくる欧州サッカーの真実

とある元有名選手の驚くべき発言   第四に、地続きであるという圧倒的な地の利。それはUEFAチャンピオンズリーグでもあらためて痛感した。拙宅から2時間半の運転でサン・シーロに到着。あまりのアクセスの良さに日本の客人は驚いていた。ちなみに、筆者の住む中央スイスからはドイツやフランスまでも車で1時間程度だ。   最後に、自国にとらわれないモノの見方や感じ方か。   普段からが外国人に接する環境では、日本と比べ外国人オーナーや選手に対するアレルギーが少ない。Jクラブの外国人オーナーへの門戸開放に関し、とある元有名選手が発した言葉には大変驚いた記憶がある。   「外国人にクラブを乗っ取られてもいいのですか」   簡単に言うと、欧州にはサッカーという“根”が、人々の生活にとてつもなく深く、太く根付いているのだ。   ビジネス面の改善を怠らないので不況でも欧州サッカーは成長する一方。少し前にUEFAが打ち出した、EURO複数国開催の方向性が良い一例である。成功体験に甘んじず改革を断行していく姿勢は、日本サッカー界も大いに参考にすべきだろう。   【了】   岡部恭英●文 text by Yasuhide Okabe

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