長谷部が読み解くハリルのボランチ像 ボール奪取力は世界基準では「最低限の能力」
「プレッシャーは経験あるものが背負うもの」
だからこそ、そうした“守備的”と見られる選手たちであっても、攻撃への貢献ができなければならないとも語った。
「(山口)蛍だったり井手口だったりは前にどんどん、永木(亮太)もそうですけど、ゴール前にも入って行きます。ポゼッションでうまくボールを回してという選手がボランチで選ばれているわけではないので。ただ、そういう特長じゃなくても、ゲームをコントロールするというのは、その4人の選手もやらなければいけないことだと思いますし、自分の特長を出しながらもやっていかないといけないと思います」
そして、その井手口をはじめとして、FW久保裕也(ヤングボーイズ)やDF植田直通(鹿島アントラーズ)といった、リオデジャネイロ五輪世代の選手たちがA代表に食い込んできたことを歓迎した。
「特に今度の試合(11日の国際親善試合オマーン戦)は、いろいろなことを試すことができると思うので、そこで競争が生まれるのは日本代表にとってすごく大きなことだと思います。次の試合に出る選手が、しっかりと監督が次の試合(サウジ戦)で使いたいと思えるプレーを見せられれば日本代表の競争にもつながりますし、そういう意味では新しい選手が入ってきたのはポジティブなことだと思います」
長谷部は「とにかく若い選手たちには伸び伸びとやってほしいですね。何もプレッシャーを感じることなく。プレッシャーは経験あるものが背負うものだと思う」とも話した。日本代表のキャプテンを務めてきた男は、若手の台頭を喜びつつ責任は自分たちベテランが背負うと明言し、チームに新たな競争が生まれることを望んでいる。
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フットボールゾーンウェブ編集部●文 text by Football ZONE web
ゲッティイメージズ●写真 photo by Getty Images