「自分の中の火が炎に変わった」 名古屋を無念の退団となった闘莉王、来季J復帰に闘志燃やす
盟友に別れを告げブラジルに向けて出国 「グランパスを愛する心は変わらない」
今季限りで名古屋グランパスからの退団が決まった元日本代表DF田中マルクス闘莉王が、8日に羽田空港からドイツ経由でブラジルに向けて出発した。今季は開幕前にチームを退団しブラジルで自主トレを続けてきたが、J2降格危機に瀕した古巣の窮地を救うべく8月に急きょ復帰。だが、名古屋は最終節で湘南ベルマーレに1-3で惨敗。Jリーグ発足時から参加している「オリジナル10」の一角は、クラブ史上初となるJ2降格の憂き目を見た。
シーズン中に契約延長の打診を受けていた闘将だが、6日に名古屋の佐々木真一副会長からは選手としてではなく、アドバイザー就任の要請を受けて困惑。そして7日、契約を更新しないことがクラブから発表された。ブラジルに向けて旅立つ朝、名古屋市内の自宅には盟友の元日本代表GK楢崎正剛が、JR名古屋駅にはFW永井謙佑ら同僚が別れの挨拶を告げるためにやって来た。
羽田空港に到着した闘莉王は「グランパスを愛する心は変わらない。J1に戻らなければいけないのに、今、クラブを仕切っている人は一体何を考えているのか……。悲しいし、残念です」と功労者に対するフロントの、あまりに冷酷な対応に無念の胸中を明かした。
ブラジルで自主トレを行っていた闘将は8月に、ボスコ・ジュロヴスキー監督から直接電話を受けた。「自分たちが間違っていた。申し訳ない」との謝罪を受け、身重の夫人の反対を押し切り、スーツケース1つで単身で緊急来日。長女の出産に立ち会うことはできなかった。
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