5.6万人超国立の主役…“苦労人”DF徳元悠平がJ1初得点後に亡き祖父へ「点取ったよ」 祖母にも感謝「やったよ!」
FC東京が川崎に2-1勝利、徳元悠平が1ゴール1アシストの大活躍
Jリーグ30周年記念スペシャルマッチとなった5月12日のJ1リーグ第13節、FC東京と川崎フロンターレの一戦は、FC東京が2-1で勝利する結果に終わった。この試合で先制点を挙げ、2点目の決勝ゴールをアシストしたのが、左サイドバックで先発出場したDF徳元悠平だった。
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まずは前半12分、右サイドからのクロスが流れ、タッチライン際でボールを回収した徳元は、寄せてきた相手選手を利き足の左足での切り替えしでかわす。あまり角度のない位置だったが、クロスを上げずにシュートを選択した。
「切り返した時点で、これはクロスを上げてもダメだなと思った。国立ですし、打とうというその気持ちだけで振り抜いた一発でした。逆足だったので、あまり力を入れずに、振りのところだけしっかり思い切って振り抜いたことで、巻いたシュートでもなく、変な軌道で(ゴールに)いってくれたので良かったです」
決めた瞬間の感想については「決めた瞬間は、喜び方が分からなかったですが、すごく嬉しかった。サポーターのみなさんも立って喜んでくれて良かったです」と振り返っている。
過去リーグ戦で40回対戦していたFC東京と川崎だが、国立競技場での試合は初めてだった。そして沖縄出身で、J3のFC琉球からJ2のファジアーノ岡山を経て、今季からJ1のFC東京でプレーしている苦労人の徳元にとっても、キャリアを通じて初めての国立での試合だった。
その徳元は前半25分にもMF安部柊斗のゴールをアシスト。1ゴール1アシストの活躍ぶりで、勝利の立役者となった。
「昨年は国立でFC東京が試合をしているのを見ている側でした。昨日からフワフワしていたが、何かやれそうだなという気持ちも勝手ながらあった。J2やJ3の選手たちに勇気や希望を与えられたのかなと思います」
試合直後のフラッシュインタビューで祖母へメッセージ「ばあちゃん、やったよ!」
1993年に10チームで始まったJリーグだが、現在はJ1からJ3まで全57チームが参戦している。各カテゴリーを上ってきた徳元の活躍は、30周年記念マッチにふさわしいと言えるだろう。
試合後、メディアに引っ張りだこだった徳元は、試合直後のフラッシュインタビューで「ばあちゃん、やったよ!」と、祖母へメッセージを送った。J1初ゴール直後には、祖父にも感謝の想いを送っていたという。
「僕はおじいちゃん、おばあちゃんっ子で、いつかこういうヒーローインタビューの舞台に立ったら、感謝の気持ちを込めて『やったよ!』と言いたいと思っていました。1月のキャンプ中に、僕をサッカーの道に導いてくれたおじいちゃんが他界してしまったのですが、2人で僕を親のように支えてくれたんです。だからゴール後には、気持ちを込めて天に向かって『おじいちゃん、点取ったよ』と伝え、テレビの向こうのおばあちゃんには『やったよ!』と伝えました」
5年ぶりにリーグ戦で川崎から勝利を挙げたFC東京だが、この日はクラブ史上ホーム最多入場者数となる5万6705人を国立に集めた。この数字は、新国立競技場になってからのJリーグの公式戦としても最多の人数だという。その国立で主役となった徳元を、祖父母も誇りに思っているに違いない。