広島FW満田への“危険タックル”は「100%レッド」 元選手が見解「やってはいけないプレー」
「Jリーグジャッジリプレイ」で近藤岳登氏や北嶋秀朗氏が見解
スポーツチャンネル「DAZN」の判定検証番組「Jリーグジャッジリプレイ」で、5月7日に行われたJ1リーグ第12節、サンフレッチェ広島とアビスパ福岡の試合が取り上げられた。背後からのタックルがレッドカードに値するプレーだったかという点が検証されるものになった。
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前半11分、ピッチ中央付近でボールを受けようとした広島FW満田誠に対し、うしろから福岡DF小田逸稀が激しいタックルで接触。この場面を目の前で見ていた谷本涼レフェリーは、小田へのイエローカードを提示した。膝裏への厳しい接触を受けた満田はしばらく立ち上がれず、数分の治療のあとに立ち上がってプレーを続けたが前半20分に座り込んでしまい、1分後に途中交代となった。
ゲスト出演したヴィッセル神戸などでのプレー経験を持つ近藤岳登氏は、「100%レッドカードだと思う。そもそも小田選手のコントロールミスから始まり、絶対に止まります。感情が高ぶりすぎていたのだと思う。これはレッドカードを出さないとサッカー界にとって良くない」と話した。同じくゲスト出演した柏レイソルなどでプレーした北嶋秀朗氏も、「100%でレッドカード。アタッカー心理としても、これをやられてしまうと苦しい。うしろからきているのが分かっているから、ボールと相手の間に身体を入れる。その先は来ないだろうというなかで、このうしろからのスライディングはやってはいけないプレー」とコメントした。
また、近藤氏はDFの立場から「振り向かせないように、ターンさせないようにするだけで良かった」と、スライディングの必要がない場面なのを指摘している。現役時代に元日本代表DF三浦淳宏氏から受けたアドバイスとして「本当のプロフェッショナルはギリギリの球際の判断ができる。これをいったら絶対に怪我をさせる、危ないと分かるのが本当のプロフェッショナルだという話を受けた」というエピソードを披露。そのうえで、「これが前半10分なので、これが基準になってしまう。そうしたら、試合は大荒れになってしまうのではないか」と懸念した。
進行役の桑原学アナウンサーも「足首と膝が完全にロックされてしまっている」と指摘。そのうえで元国際審判員・プロフェッショナルレフェリーの家本政明氏も、「レッドカードだと思う」という意見を前提に、現場でイエローカードの判断に至った根拠の推察で、「助走距離がそれほどなかったように感じたのでしょう。もう1つは満田選手が1歩くらいスペースの方に身体を寄せるので、自ら接触と感じる可能性がある。ただ、VAR(ビデオ・アシスタント・レフェリー)が入れなかったのかと思ってしまう」と、福島孝一郎VARの判断にも疑問を呈した。そして、カードの程度としては「自分としては80%をボーダーにしているが、90%のレッドカード」という意見を残した。
なお、この番組配信がスタートした9日、広島は満田が「右膝前十字靭帯部分損傷」と診断されたことを発表している。