元浦和FWワシントン、ACL優勝の古巣に送る祝福メッセージ 「感動したし、とても幸せ」

2007年にACLを制覇したワシントン【写真:徳原隆元】
2007年にACLを制覇したワシントン【写真:徳原隆元】

2006、07年に浦和でプレーしたワシントンがタイトル獲得の古巣を祝福

 浦和レッズが5月6日にAFCチャンピオンズリーグ(ACL)優勝を決めたあと、地球の反対側であるブラジルにいながらにして、興奮冷めやらぬ人物がいた。2006年から2年間、浦和でプレーした元ブラジル代表FWワシントンだ。

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 ワシントンは浦和を去ったあと、2011年1月にブラジルで現役を終えた。現在は政治家として、さまざまなスポーツ振興プロジェクトに取り組む一方で、テレビのサッカー中継のコメンテーターも務めるなど、忙しく、やり甲斐のある日々を過ごしている。

 そんな今も、彼は常に浦和のニュースを追い、その試合の結果に一喜一憂している。インタビューであれ、雑談であれ、浦和でプレーしていた頃の思い出を聞けば、両手を使って熱弁をふるい、特にサポーターとのエピソードを語り始めると、気持ちが高ぶり、涙で言葉が詰まることもあるほどだ。

 そして、このACL決勝を非常に楽しみにしていた。もちろん、アル・ヒラル(サウジアラビア)の強さは分かっていた。

「アル・ヒラルは、2月に開催されたクラブワールドカップ(W杯)で、優勝候補のフラメンゴを破って決勝進出した、強いチームだ。でも、浦和はその相手とアウェー(での第1戦)で引き分けたんだ。これはもう、埼玉スタジアムでなら、必ず勝ってくれると信じていたよ。僕はいつも言うんだ。サポーターは、浦和レッズにとって、一番大事な存在なんだ、とね。そして、彼らがいる限り、あの応援がある限り、チームはホームでもっと強くなれる。それが、僕らのプレーしていた頃からの伝統なんだ。

 すごく幸せだよ。感動した。試合や優勝の歓喜の映像も見た。2007年に、僕らが初めてこの大会で優勝した時のことを思い出したよ。あの浦和レッズのシャツを着て、みんなとともに戦った日々を。そして、サポーターとともに祝った、あのタイトルの瞬間を」

 そんなワシントンからの優勝を祝うビデオメッセージを紹介したい。このメッセージを撮るために、彼が「僕の皮膚」だと言っていた、浦和のユニフォームを着込んでいるのは、もちろん、彼自身のアイデアだ。

「ハロー、サポーター、浦和レッズ! すごく幸せだよ。試合を追っていたんだ。感動したし、とても幸せに思った。アジアチャンピオンズリーグでの浦和レッズのタイトルを心から応援していたんだ。

 2007年に、僕らが初めてこの大会で優勝した時のことを思い出したよ。それで、僕はこんな風に…これは、当時着ていた、サポーターに多くの幸運を、チームに多くの幸運をもたらしたシャツだ。おめでとう! 浦和レッズサポーター。おめでとう! 技術スタッフ、フロントのみなさん。そして、おめでとう! 選手たち。大いなる闘志とともにピッチに入って、多くの犠牲を払い、戦い抜いたみんな。だからこそ、このタイトルを達成したんだ。だから、オメデトウ、浦和レッズ! アリガトウゴザイマス!」

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藤原清美

ふじわら・きよみ/2001年にリオデジャネイロへ拠点を移し、スポーツやドキュメンタリー、紀行などの分野で取材活動。特に、サッカーではブラジル代表チームや選手の取材で世界中を飛び回り、日本とブラジル両国のテレビ・執筆などで活躍している。ワールドカップ6大会取材。著書に『セレソン 人生の勝者たち 「最強集団」から学ぶ15の言葉』(ソル・メディア)『感動!ブラジルサッカー』(講談社現代新書)。YouTubeチャンネル『Planeta Kiyomi』も運営中。

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