ACL優勝へ、浦和の北欧コンビに期待 ノルウェー人DFが挙げる勝利の鍵は「大人のプレー」
浦和の守備を支えるノルウェー人DFマリウス・ホイブラーテンが語った意気込み
浦和レッズは5月6日にAFCチャンピオンズリーグ(ACL)決勝の第2戦で、アル・ヒラル(サウジアラビア)との決戦に臨む。最終ラインで空中戦、地上戦とも強さを見せるノルウェー人DFマリウス・ホイブラーテンは「大人のように考えてプレーしないといけない。多少したたかに、賢くプレーする必要がある」と、厳しい表情を見せつつ語った。
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ホイブラーテンは今季に向け、補強ポイントとして左利きのセンターバックを探していた浦和の方針に合致する存在として移籍加入。ビザ発給の遅れなどもあり沖縄県トレーニングキャンプに参加できない誤算はあったが、開幕からスタメン出場を続ける。
浦和で3シーズン目のデンマーク人DFアレクサンダー・ショルツと組む北欧コンビは、最終ライン中央で堅牢な壁を形成。「デンマーク語とノルウェー語で理解し合えるのがコミュニケーションで非常に役立っている。ゲームの読み方や試合の流れの感じるところも似ていると思う。お互いのクオリティーやプレースタイルもフィットしていると思う」と話す。ショルツもまた、この2つの言語がかなり似ていると話していたことがあった。
そのホイブラーテンは、現地時間4月29日にアウェーで戦った初戦を1-1で終え、アウェーゴール1点分の優位性を手にした状況で迎える決勝について、「まずはアウェーで有利な部分を少し忘れて、まだ仕事は50%しか遂行できていない。勝つためには得点を取らないといけない。確固たるゲームプランが必要。攻撃はバランスを整え、ボールを持つ時にはしっかり保持して進めないといけない。決勝にはいろいろな試合の流れがある。言い方を変えると、大人のように考えてプレーしないといけない。多少したたかに、賢くプレーする必要がある。90分は長く、流れも変わるだろう。そこを見定めながら勝ちを掴みたい」と話した。
浦和の武器は組織性「ハードワークがチームを作り上げている」
アル・ヒラルは初戦でアジア枠を除く外国籍選手枠3人をすべてアタッカーに使った。ナイジェリア代表FWオディオン・イガロとマリ代表FWムサ・マレガが2トップを組んで襲い掛かってきたが、ショルツとのコンビでは決定的に決壊するような場面はなかった。ホイブラーテンは「誰もが彼らストライカーたちの質が高いと分かっている」としたうえで、それを封じ込める組織性が浦和の武器だと話す。
「あまり個人、個人を見ながら、集中しながら対応しようという戦術より、自分たちのまとまりや総合的な部分で、全員で止めようとすることが明確になっている。今シーズン始まってからのチームスピリッツ、規律、ボールがないところでのハードワークがチームを作り上げている。ストライカーにカバーリングなしで1対1を仕掛けさせれば難しくなるのは分かっている。助け合いながら、誠意を持って、強い気持ちでピッチに立って力を証明する必要がある。自分たちがここにいるんだとピッチで表現しないといけない。彼らにちょっとしたスペースを与えると1チャンスでゴールを決められる武器がある。距離感を確認しながら、助け合いながら試合に臨むことが鍵になると思う」
アル・ヒラルの立場では、優勝のためには少なくとも1点を取らなければならない。試合展開にもよるが、どこかの時間帯で強烈な攻撃を仕掛けてくるタイミングはあるだろう。そこでホイブラーテンとショルツのコンビを中心に跳ね返すことができれば、3回目のアジア制覇は視界にくっきりと映ってくるだろう。
(轡田哲朗 / Tetsuro Kutsuwada)