闘莉王の胸に刻まれた欧州王者ミランとの激闘の記憶 「自分にとって夢の舞台だった」
「当時のレッズで戦えたのは有意義だった」
「ミラン戦では悔いが残っている。身体はすごくキレていたけど、終盤で肉離れしてしまって。スライディングした時にブチッと音がした。(あのシーンは)本当にあわやの場面だったと思う。2点目を取られそうなところでスライディングをした。一回戻ろうとしたけど、それはできなかったね。ちょうどベンチの横で治療してもらって、もしかしたら自分を前線に上げてくれれば、点を取れるんじゃないかと思っていた。でも、それは叶わなかった」
自らの攻撃参加で同点弾を決めたいと切望していた闘莉王だったが、激痛には勝てず。後半31分にMF山田暢久と交代でピッチを後にし、そして浦和は試合に0-1で敗れた。
「当時のレッズは振り返ると強かった。レギュラーだけではなくて、控えにも日本代表がいた。(小野)伸二、(田中)達也、永井(雄一郎)、アレックス(三都主アレサンドロ)が出たり出なかったりしていた。ギシ(山岸範宏)もいた。一番強かった時のレッズだね。あの時のメンバーで、あのミランと戦えたことは有意義だった」
当時の浦和は闘莉王以外にも、スタメンには阿部勇樹、鈴木啓太、長谷部誠(フランクフルト)、都築龍太、坪井慶介(湘南)と日本代表メンバーが並び、元ブラジル代表FWワシントン、MFポンテ、DFネネという豪華タレントを揃えていた。そんな充実の陣容で挑んでも、黄金期にあったミランの牙城は崩せなかったが、07年大会の準決勝は日本サッカー界にとって、世界トップレベルを肌で味わった歴史的な瞬間になったことは間違いない。
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フットボールゾーンウェブ編集部●文 text by Football ZONE web
ゲッティイメージズ●写真 photo by Getty Images