闘莉王の胸に刻まれた欧州王者ミランとの激闘の記憶 「自分にとって夢の舞台だった」

2007年FIFAクラブワールドカップに“アジア王者”浦和の一員として出場

 今年のFIFAクラブワールドカップは、12月8日に開幕する。6大陸の王者と開催国の優勝チームが参戦し、世界最強クラブを決めるこの祭典に、「アジア代表」として参戦したJリーグクラブは過去2チームが存在する。2007年のAFCチャンピオンズリーグ(ACL)を制覇した浦和レッズと、08年に優勝したガンバ大阪だ。

 浦和の一員として07年大会で3位に輝いた名古屋グランパスの元日本代表DF田中マルクス闘莉王が、激闘の記憶を振り返っている。

「あのクラブワールドカップは、もう9年前になるのか。時が経つのは早いね。あの大会のことは忘れたことはない。自分の人生にとっては夢の舞台だった」

 ブラジル・サンパウロ州の人口8000人という小さな町パルメイラ・ド・オエシチで生まれ育った闘莉王少年にとっては、FIFAクラブワールドカップの前身トヨタカップこそが、夢の舞台だった。闘莉王だけではない。ブラジル人にとっての同大会は、各国代表チームによる4年に1度の祭典FIFAワールドカップ(W杯)に比肩するほどの一大イベントだという。

「ブラジルではトヨタカップのプレステージは圧倒的に高い。ほとんどW杯のようなもの。サンパウロが2年連続で優勝したことは今でも覚えている。最初はライーが活躍してバルセロナを下した(1992年大会/2-1)。次はミューレルのゴールでミランを倒した(93年大会/3-2)。ブラジルで放送されるのは(日本でデーゲームだった当時は)夜中だった。夜遅くまで起きて、それを見るのが子どもの頃は楽しみで、楽しみで。ステータスが違った。そんな大会に自分が出られるのは、すごく嬉しかった。光栄だった」

 

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