ハリルJに再挑戦する“万能型FW”大迫 好調ケルンでのデータから見えた昨季との変化とは
今季リーグ戦で2得点3アシスト ストライカーとして好調の要因をデータで分析
待望論が巻き起こっていたケルンFW大迫勇也が、日本代表の舞台に帰ってきた。4日に発表された国際親善試合のオマーン戦と、ロシア・ワールドカップ(W杯)アジア最終予選第5節のサウジアラビア戦の日本代表メンバー25人が発表され、大迫が1年4カ月ぶりに招集された。
「大迫を選んだのはロジカルだと思う。ここ最近、常に試合に出ていますから」と選出したバヒド・ハリルホジッチ監督が語ったとおり、大迫は今季のブンデスリーガで好調を維持している。レギュラーの座をつかみ、第9節終了時点で2得点3アシストをマーク。リーグトップの11得点を挙げているエースのFWアントニー・モデストとのコンビで攻撃陣をけん引し、ケルンの上位進出に大きく貢献している。
リーグ9位だった昨季と今季では、大迫のプレーやチーム内での役割にはどのような変化が生まれているのか。データから検証してみたい。
まず、ケルン全体において昨季と何が変わったのかを振り返ると、昨季の平均得失点はどちらもほぼ1点付近だったが、今季は得点が上昇し失点が減少(DATA 1参照)。双方にポジティブな傾向となっている。
そして今回は大迫をクローズアップするため、攻撃側のスタッツを掘り下げていきたい。セットプレー以外の攻撃の状況をポゼッションとカウンターに分類し、その攻撃内でシュートにたどり着いた割合を見ると、どちらも上昇している。その変化に一役買っているのが大迫だ。90分当たりのシュート数は昨季とほぼ変化がないが、キーパス数が約2倍増加。キーパスとは「ゴールが狙える位置にいる味方プレーヤーへのパス」と定義されており、よりゴールへつなぐプレーが増えたと言える。