運命の一戦のキーマン 浦和MF伊藤敦樹が「余裕を持ちすぎて試合に臨むと痛い目を見る」と警戒

浦和の伊藤敦樹【写真:FOOTBALL ZONE編集部】
浦和の伊藤敦樹【写真:FOOTBALL ZONE編集部】

決勝第1戦で貴重なアウェーゴールを奪うも、「いけるかも」という雰囲気を警戒

 浦和レッズは現地時間4月29日に、AFCチャンピオンズリーグ(ACL)の決勝第1戦でアル・ヒラル(サウジアラビア)とのアウェーゲームを戦った。1-1の引き分けで終えた試合を終えるとすぐに帰国の途についたチームは、すでに5月6日に行われる第2戦への調整を開始。5月2日のトレーニング後にMF伊藤敦樹がオンライン取材に応じ、「いけるかもという雰囲気になって余裕を持ちすぎて試合に臨むと痛い目を見る」と、気を引き締めた。

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 浦和ユース出身で流通経済大を経て21年に加入した伊藤は、第1戦でスタメン出場。前半の立ち上がりに押し込まれる苦しい展開で失点も喫したが、前半28分にはインターセプトからFW興梠慎三に決定機を演出。そうした試合の流れについて「失点しても崩れることなくやれて、少しプレスにいくようになって1回自分のところで引っ掛けて慎三さんにパスを出せて、そういうシーンができて少しいけるかなと。ボールを奪いに行かないといけない、自分のところで行かないとという個人の判断でそうなった。そこに回りも連動してくれた。みんなにもそういう意識があったんだと思う」と、戦況を打破する勇気がチームに伝播した。

 アウェーの初戦を1-1で終えたことは、多少の優位性を手にする結果だと言える。伊藤は「あそこまで完全アウェーも初めてだし、中東も初めて。アップから独特でブーイングもすごかった。そのなかでもレッズサポーターの声はずっと聞こえた。それで少しは心にも余裕ができたし、安心感もあった。相手サポーターも試合が上手くいかない、試合が進むにつれて静かになっていったのを感じた。その分、いけるぞという雰囲気になりやすかった。それも中東のサポーターならではなのかなと感じた」と、その試合を振り返った。

 今度は、浦和がホームで大きなサポーターの声援を受けることになる。伊藤自身も地元出身で幼少期から浦和を応援しながらプロを目指すサッカー少年として過ごしてきた。「ACLは本当にレッズの中でも特別な大会。自分が小さい頃から見ていて、ACLになると特別な盛り上がりがあった。そういう大会なのは知っているし、選手になっても簡単に立てる舞台ではない」と、2007年、17年に続く3回目のアジア制覇を狙う浦和にとっての位置付けも自然と理解して育ってきた。

伊藤はボランチ

 しかし、そうした優位性と感じられる状況も落とし穴になり得る。アル・ヒラルの強さを初戦で感じたところもある伊藤は「ホームでは前から奪いにいくシーンを増やせたらいい。ただ、(相手は)前に個(に長けた選手)がいるので、ボランチが前に行ってバランスが崩れるのは怖い。そこは見ながらやっていきたい。いけるかもという雰囲気になって、余裕を持ちすぎて試合に臨むと痛い目を見る。アル・ヒラルは本当に強いチームなので、そういう雰囲気を持たない。相手は本当に点を取りにくると思うので、気持ちの部分は引き締めて臨みたい」と、表情も引き締まった。

 中盤にずらりと並ぶサウジアラビア代表の面々に加え、外国籍選手枠の使い方によっては前回大会で浦和を苦しめたペルー代表MFアンドレ・カリージョらの南米選手たちが入ってくるメンバーと対峙する。浦和がホームで大団円を迎えるためには「いつも通りに身体を張って、走って戦って、勝って優勝を決めたい。欲を言えば自分がゴールを決めて勝てたら一番いい。常に狙いながらも、堅い試合をして優勝したい」と話す伊藤が、アジアの頂点に王手をかけたゲームで浦和のキーマンになるのは間違いない。

[試合情報]
決勝 第2戦
日時:5月6日(土)18時キックオフ(17時30分~配信開始)
会場:埼玉スタジアム2002/埼玉
解説:佐藤寿人&槙野智章
実況:野村明弘
配信:DAZNにて独占ライブ配信

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