リベリーが明かすバロンドールの内幕 「もはや何の意味も持たない」
「どう負けるか見ておいて」
バイエルン・ミュンヘンのMFフランク・リベリーがバロンドール(欧州最優秀選手)の選考基準について、「政治的な問題」と主張し、選手のピッチ上のパフォーマンスを反映したものではないと批判している。ドイツ地元紙「スポーツビルト」が報じている。
「僕はバロンドールの表彰式で多くのことを学んだよ。会場に着いた時に、妻にこう言ったんだ。“ワヒバ、僕がどのように負けるか見ておいて”とね。ゼップ・ブラッターがロナウドの家族の近くで彼と抱擁をかわしていた。僕はバカではない。彼が勝つことは明らかだった。そうでなければ、一族総出で会場に来るわけないからね」
今年1月13日にスイスのチューリヒで行われたFIFAバロンドール授賞式での一幕をこう振り返った。リベリは受賞したレアル・マドリードFWクリスティアーノ・ロナウドと、バルセロナFWリオネル・メッシとともに13年度の最終候補3人に選ばれていたが、ロナウドが選出された。
リベリーはバイエルンの三冠達成に貢献したが、年間69ゴールを達成した「CR7」の後塵を拝する結果となった。
「(14年度は)ロッベンやノイアーが獲得すべきだけど、今年も同じだろうね。彼らは偉大な人間で傲慢からほど遠い存在。バロンドールはもはや最高の選手に与えられるものではない。すべては政治。2006年にファビオ・カンナバーロ(元イタリア代表DF)が選出されたけれど、ワールドカップ(W杯)で優勝したから。それは合点がいく。この賞はもはや僕にとって何の意味も持たない」
前年度、悔しさを味わったリベリーは、バイエルンの同僚でブラジルW杯のドイツ代表の優勝に貢献したGKマヌエル・ノイアー、同W杯でオランダ代表3位進出の立役者となったアリエン・ロッベンを推薦する。ただし、政治的な理由から受賞が難しいという見方も示している。
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サッカーマガジンゾーンウェブ編集部●文 text by Soccer Magazine ZONE web
ゲッティイメージズ●写真 photo by Getty Images