「三笘を黙らせた」 ユナイテッドDF、開幕4か月“ほぼ戦力外”からの逆転劇に英紙注目
ワン=ビサカは三笘を抑えて評価急上昇
イングランド1部マンチェスター・ユナイテッドのDFアーロン・ワン=ビサカは、同1部ブライトンの日本代表MF三笘薫を完璧に封じ込めたパフォーマンスで称賛されている。開幕直後の4か月間はほぼ出番がなく退団も噂されていたが、ここにきて契約延長の可能性も浮上するなど復活を印象づけている。
25歳のワン=ビサカは、2019年にクリスタル・パレスからユナイテッドに加入。5000万ポンド(約84億円)という高額移籍金は話題を呼んだ。
しかし、1対1の守備の強さには定評があった一方で攻撃面には課題を残し、DFディオゴ・ダロトとのポジション争いで遅れを取っていた。今季開幕前にはエリック・テン・ハフ監督の下では構想外とも伝えられており、実際に開幕から約4か月でピッチに立ったのは第3節リバプール戦(2-1/2022年8月22日)の4分間のみ。負傷していた期間もあったとはいえ、長らくピッチから遠ざかっていた。
だが、ダロトが負傷離脱により、カタール・ワールドカップ(W杯)中断明けの昨年12月から出番を増やし、徐々にテン・ハフ監督からの信頼を獲得。ここまで公式戦26試合に出場しており、オランダ人指揮官は今月5日第25節ブレントフォード戦前の記者会見で「2人の競争は本当に接戦だ。アーロンはより守備的でダロトは攻撃的。2人ともそれぞれの分野で向上していて、本当に際どい差だ」と語っていた。戦力外の状況から巻き返しを見せ、ブライトン戦ではマッチアップした三笘を完璧に封じ込める活躍でさらに注目を集めた。
英地元紙「マンチェスター・イブニング・ニュース」は、「日本代表の三笘はプレミアリーグのほとんどのクラブがうらやむようなブライトンの素晴らしい新戦力だが、成長を遂げたワン=ビサカの前では満足な結果を残すことはできなかった。ワン=ビサカは常に1対1での守備に長けており、三笘を黙らせた。2か月前のカラバオカップ決勝で(ニューカッスルの)アラン・サン=マクシマンがつけた火を消したように、これは決してまぐれではなかった」と25歳の右サイドバックのパフォーマンスを絶賛している。
さらに、同紙は「2024年に契約が切れるワン=ビサカには契約延長の可能性も囁かれている」と新契約を勝ち取る可能性にも言及。「クラブを去るかもしれないと言われたところから新契約にまで名乗りを上げた。この先何が起こるかは別として、困難な状況を押し返した努力に彼は胸を張れるだろう」とそのメンタリティーを称えていた。