ハリル御前での“日本代表対決” 浦和守護神と横浜FMアタッカーが見せた駆け引きの妙
「さすが周くんという感じでしたね」
齋藤はドリブルの間に西川の重心を動かしてスキを作りにいったが、西川は最後まで動かなかった。その結果、シュートコースは浦和守備陣のカバーもあり狭くなっていった。そして、西川は落ち着いて自分の守備範囲に飛んできたボールを弾き出していた。
もう一つのチャンスは同32分だった。左45度に近い位置から、齋藤はニアサイドを強襲する無回転シュートを放ったが、これも西川に弾き出された。齋藤は「さすが周くんという感じでしたね。もう一個逆に(西川を)動かせれば、というところだったんですけど、軽く止められてしまった」と振り返った。
一方の西川は「少し外れていたかなとも思ったけど、無回転でニアに来たので、変に流してゴールポストに当たることがあっても嫌なので、シンプルに弾きました」と、ボールの回転やコースを見極めた上でセーフティーなプレー選択をしたことを明かした。
4日には今月11日の国際親善試合のオマーン戦と15日のワールドカップ・アジア最終予選のサウジアラビア戦へ向けた日本代表メンバーが発表されるが、Jリーグ所属選手として10月のゲームにも名を連ねた2人は、リーグ最終節でハリル監督が見守るなか、火花を散らしていた。好調を維持する齋藤と、年間でのリーグ最少失点タイ記録を達成した西川は、ハリルジャパンでも貴重な戦力となっていくはずだ。
【了】
轡田哲朗●文 text by Tetsuro Kutsuwada
ゲッティイメージズ、フットボールゾーンウェブ編集部●写真 photo by Getty Images , Football ZONE web
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