リーグ28失点は06年の浦和の記録に並ぶ

　反撃に出たい横浜FMだったが、高い位置からのプレスは浦和のビルドアップにかわされて逆に攻撃を許す展開になってしまった。頼みのMF齋藤学も浦和の厳しいマークに遭う。同32分にはそれでも強烈なミドルシュートを放ったが、浦和GK西川周作のファインセーブでゴールを割れなかった。

　それでも横浜FMは同40分、浦和の最終ライン背後に出たボールにMFマルティノスが反応すると、猛追する関根を振り切りそのまま左足シュートを決めて1-1の同点となった。浦和はルヴァン杯決勝を超える5万6841人の大観衆の後押しを受けて最後までゴールを目指したが、そのままタイムアップとなった。しかし、試合終了後に2位の川崎がG大阪に敗れたとの情報が入り、スタジアムには年間1位を祝福する歓喜の声が上がった。

　これにより、浦和は勝ち点を74に伸ばした。昨季リーグ1位のサンフレッチェ広島が記録した勝ち点74と並び、2005年からJ1が18チームに増え年間のリーグ試合数が34試合になってからの最多勝ち点タイとした。また、リーグ28失点は06年に浦和が初のリーグ優勝を果たした際に記録したものに並ぶリーグ最少失点タイ記録となった。

　この結果、浦和が1位、川崎が2位、鹿島アントラーズが年間3位でチャンピオンシップ進出が決まった。23日に川崎のホームで鹿島と準決勝1試合が行われ、勝ち上がったチームが29日と12月3日にホーム＆アウェーで争われる決勝戦で浦和と対戦する。

【了】

轡田哲朗●文　text by Tetsuro Kutsuwada