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【天才キッズ】サッカー界の逸材、大谷翔平の二刀流を彷彿 野球、ラグビー、アメフト…文武両道の万能型アスリート
未来のスター候補生を発掘「BLAZE A NEW PATH~天才キッズを探せ No.70」
日本サッカー界の未来を担う将来有望な天才キッズを探す「FOOTBALL ZONE」の連載「BLAZE A NEW PATH」(新しい道を切り開く)。謎のスカウトマン・パウロ吉田が日本全国を回って未来のスター候補生を発掘するなか、今回は東京都在住の小学4年生・太田泰誠くんに迫る。(取材・文=パウロ吉田)
◇ ◇ ◇
今回紹介するのは東京都に住む4年生の太田泰誠(タイセイ)。筆者が兼ねてから推奨している、低年齢からさまざまな競技を体験するクロススポーツを実践する期待の選手だ。
野球を本気でやっていたが肩の故障でラグビーに転身したお父さんが、自身の経験からクロススポーツの大切さを理解されている。2歳9か月の時に自宅近所にサッカー教室が新設されることとなり、体験イベントに参加。入会は原則として年少以上(4歳~)とされていたが、すでに体格・運動能力ともに2~3学年上と同等のレベルにあったため、5~6歳児の集団に混じって、週1回(30分)の活動を始める。これと前後してラグビーチーム(シーホークス:昨年度全国優勝)にも体験参加したが5歳以下の正式入会が認められず、その後は不定期参加となる。
3歳児の約1年間、父からはタックル(ラグビー)・寝技(柔道・レスリング)・キャッチボールを、母からは陸上の手ほどきを受けたが、年少(4歳)になる頃には、走力、運動量、持久力、キック力、背筋力を中心に目覚ましい成長を見せ、同学年を圧倒。サッカー活動では、スピードとボールタッチ技術に抜きん出たことから、6歳児以上の大会や宿泊合宿にも参加を薦められるようになり、得点も記録し始める。
5歳になる頃には、外国人大学生(スポーツ留学生)が月替わりでさまざまなスポーツを教える運動教室(マイビレッジ:豊洲校)にも入会。野球・アメフト、体操、パルクール、テニス、バドミントン、ラグビー、テコンドー、バスケットボール、ホッケーなどのスポーツにも取り組み始めた。
なお、参加カテゴリーは入会当初から9歳児以上のクラス(オールスタークラス:3階級飛び級)とされ、現在も活動を継続している(週1回1.5時間)。この頃、50メートル走の初計測を行い、9.66秒を記録した。
育成方針は「成長の早さによるアドバンテージにはあぐらをかかせない」というもの。意識的に上の世代や、努力しなければ勝てないレベルの相手との対戦・活動機会を求め、本人にも「今は成長が早いから勝てているが、それは運がいいだけだし、今だけの話。決して調子に乗らず、いつか身体的に追い付かれた時にも勝てるよう、努力の天才になれ」と伝え続けた。
サッカーや野球で強烈な存在感、スポーツだけではなく勉強にも注力
小学校入学直前の2月、コロナ騒動が始まり、スポーツの機会が軒並み減少。運動機会が減ることを懸念し、選手のレベルが高いヴェルディサッカースクール(湾岸校)、リバプールアカデミー(豊洲校)に同時入会。ここでは同学年の“カズマくん”や“ダイキくん”、2学年上の“シンタロウくん”ら、ライバル・尊敬対象として意識できる存在とも出会い、ここからサッカーへの取り組みを本格化していくこととなる(週1回から週3~4回に)。
また、近隣の違うチーム所属でも意識の高い選手たちとプライベートチームを結成し、小規模大会などに出場するなど運動機会を確保した。総合的には無双に近い状態だったタイセイだが、自分を上回る細かいスキルやスピードを持った仲間たちと刺激し合う関係が始まった。
2年の夏になると野球も始め、冬には都内トップチーム(昨年全国8位)である深川ジャイアンツに入部。入部直後からヒット・ホームランを量産し、当初半年の時点で打率7割、ホームラン5本を記録。ポジションはファーストかセンター、過投による怪我を懸念してピッチャーは避けたという。
実は4歳の頃、「東京北砂」(リトルリーグで複数回世界一になっている。清宮幸太郎が出身)に体験参加。そこで非常に高い基礎運動能力を見せ、チームからも複数回にわたって強く入部を勧められたが、土日の終日活動が求められたこととの調整がつかず、入部は断念した過去がある。サッカーではレフティーのタイセイだが、利き腕は右、もはや手足両利きと言っていいほど、利き足・利き腕ではないほうでも他を圧倒する力を発揮する。
スポーツだけではなく勉強にも力を入れていて、日本最難関レベルの中学に合格できる偏差値を維持しているが、教育方針として何かを無理やりやらせることはしないという。自分で正しいと思うことを自分で考えて決める。遊ぶか勉強するか、寝るか、スポーツするか、すべての選択は本人に委ね、両親がスケジュール調整をする程度だ。
サッカーではリベロの位置で奪ったボールを自分でゴールする能力があり、さらに一学年上のチームではGKのスタメン。野球でもレギュラーを張り、学業でもしっかり結果を出しているタイセイ。まるで大谷翔平(MLBロサンゼルス・エンゼルス)の二刀流超えを思わせるような万能ぶりだ。
そんなタイセイの課題はキャプテンシーだという。大柄だが心が優しい性格のため、強い言葉を発することはないというが、プレーでチームを十分鼓舞している。将来どんな分野に進んでも自由に羽ばたいてくれるだろう。
天才キッズ「プロフィール&1日のスケジュール」
【プロフィール/2023年4月時点】
太田泰誠
TAISEI OTA
生年月日:2013年4月20日
出身地:東京都
身長・体重:148センチ・44キロ
足のサイズ:25センチ
ニックネーム:たいちゃん
サッカー歴:7年
野球歴:1年半
所属:ヴェルディ湾岸校(湾岸ローカルズFC)/リバプールFCインターナショナルアカデミー/深川ジャイアンツ(野球)/豊北ダークナイト(ドッジボール)
憧れの選手:大谷翔平/ロベルト・バッジョ/岩政大樹/池澤真太郎
ライバル:斎藤大貴/青木一真/浅井拓海
【1日のスケジュール】
7:30 起床
7:30~8:00 朝食・身支度(たまに朝練)
8:10 登校
15:00 帰宅・軽食
15:00~18:00 勉強or野球orピアノor昼寝
17:00or18:00~20:00 塾(週2)orサッカースクール(週3)
※移動中は車内で勉強
20:00~21:00 帰宅・夕食
21:00~22:30 勉強(宿題・映像学習)
22:30 入浴・就寝
※土曜日は総合運動教室(英語指導:マイヴィレッジ)に通学
※週末は野球・サッカー・勉強を各々1/3
パウロ吉田
パウロ・ヨシダ/世界65か国以上を旅するクリエイティブアスリート。多様なスポーツに精通し、それらを実践している。日本の体育教育をカルチャーに変えるべく、さまざまな競技にさまざまな角度から刺激を与えている。好きなサッカー選手はジョージ・ウェア。