「逃げられない事実」「大きな判断ミス」 J2山形の得点取り消し判定、専門家は“誤審”を指摘
山形DF西村が頭で決めた一発は、味方のファウル判定で取り消しに
スポーツチャンネル「DAZN」の判定検証番組「ジャッジリプレイ」で、4月16日のJ2リーグ第10節、モンテディオ山形とツエーゲン金沢の試合が取り上げられた。山形がコーナーキックから得点したところで、GKに対するファウルがあったと判定された場面が議論になった。
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この場面は山形が左コーナーキックをゴール前に入れ、DF西村慧祐が頭で合わせて決めた。しかし、吉田哲朗レフェリーはGK白井裕人の近くに立っていた山形のMF田中渉がファウルコンタクトをしたとしてゴールを取り消した。一方で、映像を見ると、白井が田中を引き倒し、その動きに巻き込まれるような形で両者が転倒しているようにも見えた。
ゲスト出演した現役時代にサンフレッチェ広島や浦和などでプレーした石原直樹氏は「GKの白井選手が相手の選手を引っ張って倒しているので、本来ならPKになるのではないか」とコメント。そして、このようなGKの前に立つポジションを取ることのあった現役時代について質問を受け「GKに自由を与えない、制限することと、味方が落としたボールやクリアミスをしっかりゴールに入れる役割がある。本来なら、GKと山形の選手との間に金沢の選手が入っているべきだとは思う」と、この状況を分析した。
一方で、同じくゲスト出演した元日本代表DF坪井慶介氏は「GKのファウルじゃないですか。得点になる」とシンプルにコメントし、「山形の選手が過剰にGKに体をつけるようなことはしていない。どちらかと言えば、立っているだけ。にもかかわらず、GKの選手が自ら手をかけて倒している。普通にゴールで良いのではないか。もっと言えば、GKにイエローカードが提示されてもいい」と話した。
元国際審判員・プロフェッショナルレフェリーの家本政明氏は「残念なシーンです。こうなってくると、VAR(ビデオ・アシスタント・レフェリー)を入れてほしいという気持ちになってしまった」とコメント。そのうえで、「なぜこのようなことが起きたのか、改善する方法があるのかの話をしようと思う」として、状況の分析と判定について話した。
「両チームの選手がたまっている『島』が映像を見ると大きく分けて4か所ある。このような時に打ち合わせで、主審と副審でお互いに監視するエリアと選手を分ける。1人で全てを見るのは不可能。GKのところは副審にお願いすることが多い。それ以外のところは優先順位をつけながら見る。ところが、ボールがゴールに入った時、副審は動く。それは反則がなかったと見た合図。何かがあれば旗を上げるか静止する決まりがある。反則を確認しなかったのが、どういう打ち合わせをしていたか。GKのところを見たうえで判断したのか、そういう打ち合わせがなく主審も副審も何となく全体を見た可能性がある。いずれにしても、副審は得点の合図をしているように見える」
家本氏は判定について「主審はボールがゴールに入ったあとに、GKのところに反則が起こったと判断した、あるいはそう見えたのでしょう。明らかに映像を見る限りは反則を犯しているのはGKで、山形の選手は何もしていない。その場に立っているだけ。大きな不利益、しかも得点が入っている。もし入っていなければPKが与えられても間違いない状況だった。これは逃げられない事実というか、大きな判断ミスと言わざるを得ないシーン」とコメントした。
一方で家本氏は改善点として「主審がGK以外のところで優先順位をつけて監視し、副審がGKのところを監視すると明確に分けておけば。あるいは僕が現役時代にやっていたのは、副審がGKのところ、大きな対流を見たいところを僕が見ます。無線で4th(第4審判)の人にニアの塊を見ておいてとしておけば、(選手が)倒れた、どうだった? 問題ありません」とゴールにできたのではないかと話していた。