守られた“浦和と三菱”の伝統 今後は増資など積極的な経営戦略が焦点に
持ち株会社を設立し、クラブの実質的な筆頭株主は三菱自動車から三菱重工へ
浦和レッズが1日に開催した取締役会により、三菱自動車工業が保有していた株式を、三菱重工業が筆頭株主となる新たなホールディングス会社へ移行することが承認された。これにより、浦和の実質的な筆頭株主は三菱自動車から三菱重工へと変化することになる。
問題の発端は4月に、三菱自動車が軽自動車の燃費データの不正改ざんを行っていたと発表したことにあった。これにより、横浜F・マリノスの親会社である日産自動車が三菱自動車へ34%の出資を行うことが決まり、Jリーグクラブライセンス交付規則にある「他クラブの経営等への関与の禁止」に抵触する恐れがあると、Jリーグ側から指摘されていた。
そのため、三菱自動車は浦和の株式保有比率を下げる必要に迫られ、最終的には同じ三菱グループであり、そもそも浦和レッズの母体であった三菱重工との共同会社を設立して株式を移行する運びとなった。これにより、新たに設立されるホールディングス会社への出資比率を加味した浦和の株式構成は、三菱重工が30.8%、三菱自動車が19.8%となった。
報道陣に対応した浦和の淵田敬三代表は、こうした事実の説明と同時に、「今後は第三者割当方式による増資も検討している」と明かした。現在の浦和は4000株のうち3200株が発行済みのため、最大800株をこの方式により増資する可能性が明かされた。一方で「経営を考えれば、株式構成比率の過半数は維持する」とも話しているため、実質的な新割り当て分は最大でも400株以内になると見られる。
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