J2清水、決勝弾シーンはオフサイドだった? 識者が論点解説「100%の力でセービングをできるかどうか」
後半45分の決勝ゴールシーンでFW北川の立ち位置に注目
スポーツチャンネル「DAZN」の判定検証番組「ジャッジリプレイ」の最新回が配信され、4月8日のJ2リーグ第8節、清水エスパルスと東京ヴェルディの試合が取り上げられた。2-1で勝利した清水の決勝弾で、ゴールライン近くに立っていた選手がオフサイドの反則に該当するかが議論された。
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1-1のまま迎えた後半45分、清水がコーナーキックのチャンスからDFオ・セフンがヘディングシュートでゴール。しかし、ゴールライン付近のFW北川航也はヘディングの瞬間にオフサイドポジションにいて、その目の前をボールが通過してゴールに吸い込まれた。これが、GKマテウスのプレーに影響を与えているか否かが論点になった。
ゲスト出演した元日本代表DF水本裕貴氏は「僕がヴェルディの選手ならオフサイドをアピールします。逆だったらオ・セフン選手のところに駆け寄って大喜びします」と正直な気持ちを話したが、プレーについては「あまり影響を及ぼしていないのではないかと思うので、ゴールを認められて良いと思う。シュートをした時にエスパルスの選手は邪魔をしていないように見える」と判定を支持した。
同じくゲスト出演した元日本代表FW佐藤寿人氏も、「ゴールが認められてほしい。北川選手がボールに関与する動きをしていない。シュートの軌道を考えても、決して北川選手がいるから止められなくなるというものではないと思う」とコメントした。一方で、今季のサガン鳥栖と湘南ベルマーレの試合で、似た部分のある場面でオフサイドによりゴールが認められなかった判定を念頭に、「いるだけでGKに影響を与えると判断された場合は、ゴールが認められないという判断も守備者側の視点から理解はできる」と話した。
元国際審判員・プロフェッショナルレフェリーの家本政明氏は、「今これは、FIFA(国際サッカー連盟)もJFA(日本サッカー協会)も、オフサイドの反則が成立したと判断する」と、結論はオフサイドでゴールを認めるべきではないと話す。根拠について競技規則上で、「オフサイドポジションに立っていた競技者が、相手競技者の進路上にいて相手競技者がボールに向かう動きを妨げた場合、それにより相手競技者がボールをプレーできるか、またがチャレンジできるかどうかに影響を与えていればオフサイドの反則となる」という項目があることを紹介した。
そのうえで家本氏はこの場面について、「ボールの進行上にいたという事実から、GKからするとそこにいることを把握しているので、100%の力でセービングをできるかどうか」という問いかけを行い、ゲストの両者とも「躊躇する、気にはなる」と答え、「そこにいることで躊躇するということは影響を与えていると言えるため、現在の考え方としてオフサイドの反則が成立しているシーン」と話した。そのうえで、これが仮にJ1の試合であればすべてのビデオ・アシスタント・レフェリー(VAR)が介入するシーンだと指摘した。そのため、ゴールを認めるべきではないシーンだったという結論を語っていた。