J1浦和、名古屋戦の騒動で起こった双方の“食い違い” 座席を巡る混乱に見解「事実を湾曲したというような表現があるが…」
浦和側の見解を現地で取材
4月9日のJ1リーグ第7節で名古屋グランパスと浦和レッズが豊田スタジアムで対戦したが、その試合会場で浦和サポーターによる複数の違反行為が確認された件について、両クラブが10日にリリースを発している。浦和は11日にさいたま市内でトレーニングを行ったが、そうした行為については名古屋と連携して調査し、事実関係を確認したうえで然るべき対応をするとした。一方で、座席を巡る案内については見解の相違が発生している。
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両クラブのリリースでは、名古屋戦の試合当日に立ち入りを禁止しているエリアで浦和のサポーターが侵入して横断幕などを設置したこと、またその際に警備員への暴行を含むとみられる行為や対立があったことを発表している。これについて名古屋側は「暴行」としているが、浦和は「暴行と思われる行為を含む諍い」と発表。この相違について浦和の担当者は「本人が否定しているため、疑いがあるというのが現時点。今後、名古屋さんと連携して調査を行い、暴力があったとしたら然るべき対応をする」と話した。
この試合では、浦和サポーターが応援する座席を巡っても主催の名古屋による運用変更やチケットの振り替えという事態があり、試合2日前の夜に浦和は公式SNSで「3/28(火)までに名古屋戦の2階アウェイ指定席チケットをご購入され、1階アウェイ指定席への振替券を取得できていないみなさまは、豊田スタジアムアウェイ指定席入場口付近の浦和レッズクラブスタッフへお声がけください。1階アウェイ指定席でご観戦いただけますよう、サポートいたします」と案内を行った。
一方で、名古屋はリリースにおいて「また、Sスタンド運用変更に伴う浦和レッズの各種発信においては、クラブ間で合意した内容を独自に書き換え、以下のように事実と異なる認識を与えてしまう発信となることがありました」として、その1つの項目を「チケット振替の対応について、当初から振替に必要な座席数を確保し、試合当日のスタジアムでは名古屋グランパスが対応することを両クラブで確認を終えていたにもかかわらず、浦和レッズのスタッフが振替対応を行うと誤認させるような発信」と発表し、その点について真っ向から対立している。
浦和の担当者は、「暴行に関連する話と、席の話は全く別のもの」としたうえで、「主催の名古屋さんに対して、試合までの時点でもっと情報を発信するように要請したが、賛同してもらえなかった。私たちのファン・サポーターが名古屋まで行くにあたり、『行ってみたら、大丈夫だった』ではなく、『大丈夫だから、行こうよ』とできるものを担保するため、通常の倍以上の人数で向かった」と説明した。
そして、名古屋が「『アウェイ応援席』の座席位置について、3/18(土)のチケット発売前には名古屋グランパスと浦和レッズ両クラブ間で確認を終え、その後3/19(日)の浦和レッズ発信から試合開催まで追加の協議を行った事実はないにもかかわらず、2階から1階への座席位置変更の協議を継続しているかのような発信」とした項目について、浦和の担当者は「私たちが事実を湾曲したというような表現があるが、そのようなことはない」と話し、今後について「対戦チームとのコミュニケーションの質は改善しないといけない」とした。
現場で起こった対立と、それが事実と認定された場合の暴力行為はいかなる場合においても許されるものではない。一方で、目の前の1試合に対してチケットを購入して観戦に訪れる人々に対する対応という点で、両クラブの連携やその見え方、発表においても協調できていない部分が多く露見するものになってしまった。