札幌との古巣対戦を迎えるなか、胸中を語った

　浦和レッズFW興梠慎三は、4月11日のトレーニング後に取材対応を行い、15日にリニューアルされた埼玉スタジアムで行われる古巣の北海道コンサドーレ札幌戦に向けて「久々にあの声援の中でできると思ったら高ぶる」と思いを話した。

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　埼玉スタジアムは昨年秋から芝生の全面張替えを含むリニューアル工事がなされ、この札幌戦で初試合となる。また、新型コロナウイルスの影響下でゴール裏のみの声出し応援だった環境から、席を問わずに声援を送れる環境での試合も埼玉スタジアムでは2020年2月以来のこと。クラブが打ち出した3年計画と世代交代の過渡期にあったチームだけに、その大声援の環境を知る選手は興梠を含めて一桁になった。すでにバックスタンド1階席のチケットがほぼ完売するなど、かなりの観客数が見込まれる。

　それだけに興梠は「個人的には埼スタでできるのが楽しみですね。たくさん（サポーターが）入ると聞いているし声出しもOKということなので、久々にあの声援の中でできると思ったら高ぶる。連勝がストップしてしまったので、ここでズルズルいかないためにも重要な試合になる」と、4月9日の名古屋グランパス戦を0-0で引き分けて連勝が4で止まったところからの仕切り直しも含め、その思いを話した。

　対戦相手の札幌は、2013年に興梠が鹿島アントラーズから移籍加入した当時に浦和の指揮を執っていたミハイロ・ペトロヴィッチ監督が率いる。2017年夏までの期間で、“ミシャ式”と呼ばれた3-4-2-1システムの1トップでゴールを量産した興梠は、浦和での出場機会を減らしていた昨季に1シーズン期限付き移籍してプレー。その後、現役生活の集大成を見据えて今季から浦和に復帰した。

　そうした過程もあるだけに興梠にとっては特別なゲームになる。昨季所属した経験から「ある程度、向こうがどう出てくるかは分かる。マンマークなので個々の1対1で負けてはいけない。1人1人が問われる試合になると思う。（ここ数試合）距離感がちょっと遠い感じがした。次はマンマークで来るので、なおさらフリーでボールをもらえることは少ないかもしれないけど、1人1人がマーカーを剥がさないといけない。全部がマンツーマンなので、ボランチなどが背後に飛び出せばいい。2列目からの飛び出しが鍵になると思う。先に点を取れば相手はバランスを崩して前に出てくるので、そこで2点、3点と決めることができれば勝つチャンスはある」と話した。

　4月29日と5月6日には、AFCチャンピオンズリーグ（ACL）決勝でアル・ヒラル（サウジアラビア）と対戦する大一番も控える。興梠は「ACLまで連勝をストップしたくなかったですが、負けてはいないので。決勝までにチームとして内容もいい試合をして勝っていきたい」と、リニューアルされた埼スタ初戦での勝利を、アジア王者への道のりにつなげていこうという心づもりを語っていた。