浦和新助っ人、J1デビュー戦で示した期待感 「ONE PIECE」好きFWにフィットの予感
ギニア代表FWホセ・カンテがリーグ初出場、名古屋戦で存在感放つ
浦和レッズは4月9日のJ1リーグ第7節、名古屋グランパスとのアウェーゲームを0-0で引き分けた。浦和では3月に新加入となったギニア代表FWホセ・カンテが、J1でのデビュー戦となった。
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カンテはスペイン育ちながら父親のルーツによりギニア代表を選択。スペインでプロのキャリアをスタートしたあと、2016年から21年は浦和のマチェイ・スコルジャ監督の母国でもあるポーランドリーグでプレー。その後、UEFAチャンピオンズリーグ(CL)予選に出場したカザフスタンのFCカイラト、中国1部の滄州雄獅足球倶楽部でのプレーを経て今季の浦和加入となった。
しかし、中国で最後に公式戦出場したのが昨年12月であり、個人トレーニングしかできない期間もあったために合流してからの調整は時間を要した。4月5日のルヴァンカップ第2戦、川崎フロンターレ戦で途中出場して日本での公式戦初出場となると、この名古屋戦では後半31分にFW興梠慎三との交代でピッチに送り込まれてのJ1デビューだった。
名古屋ペースになりつつあった時間帯のなかで、カンテは184センチの長身も生かしながら前線でのキープ、味方へのつなぎでチームに落ち着きを与えた。そして後半アディショナルタイムには、自身のキープから相手に寄せられながらもMF大久保智明に質の高いスルーパスを通して、MF松崎快の決定機につなげるプレーを見せた。
カンテは自身の状態について「少しずつ感触は良くなっています。自分が描いている自分像がまだまだ上にあるので、試合を重ねてどんどん自分のゲーム感覚を取り戻して、しっかりとパフォーマンスをしたいと思います。やはり、自信が持てれば自分のパフォーマンスが上がっていくと思います」とコメントしている。そして、現状のコンディションは100点満点とすれば「80くらい」だと話した。
取材エリアにはカンテ自身がファンだという人気漫画「ONE PIECE」の赤髪海賊団ラッキー・ルウのキーホルダーをスーツにつけて姿を現すなど、茶目っ気も見せる。しかしそれは、母親が1週間かけてカプセルトイ(通称ガチャガチャ)にトライして入手したものだと笑顔で話し、加入当初よりもリラックスした表情も増えてきている。
浦和の最前線では36歳のベテランFW興梠が大きな存在感を話す一方、昨季加入したオランダ人FWブライアン・リンセンはなかなかチームの中でのフィット感が高まってきていない。カンテの一度ボールを受けて味方と連係していくプレースタイルは、興梠のハマりが良い現状のチームに自然と組み込まれていきそうな感もある。
今月末にはアル・ヒラル(サウジアラビア)とのAFCチャンピオンズリーグ(ACL)決勝戦での対戦が控える浦和だが、そこで起用できる外国人選手は3人。センターバックコンビのDFアレクサンダー・ショルツとDFマリウス・ホイブラーテンは不動の存在と見られるが、緊急補強となったカンテがコンディションを上げてくればスコルジャ監督にとっても有力な選択肢になりそうだ。