J1浦和、際立つ守備の充実ぶり 北欧CBコンビとGK西川の「トライアングル」は特筆レベル

浦和GK西川周作【写真:徳原隆元】
浦和GK西川周作【写真:徳原隆元】

名古屋戦で連勝ストップも、無失点で抑えたチームに質の高い守備あり

 浦和レッズは4月9日のJ1リーグ第7節、名古屋グランパスとのアウェーゲームを0-0で引き分けた。リーグ戦の連勝は4試合でストップしたものの、無失点で抑えたチームには北欧センターバック(CB)コンビとGKの質の高いプレーがあった。

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 浦和は今季からマチェイ・スコルジャ監督が指揮を執るが、リーグ開幕から2連敗。しかし、第3節のセレッソ大阪戦での逆転勝利から4連勝し、ルヴァンカップの試合も含め7戦無敗を継続して上位対決の名古屋戦に臨んだ。

 その名古屋は浦和から期限付き移籍中のデンマーク人FWキャスパー・ユンカーがスタメン出場。浦和のDFアレクサンダー・ショルツは、2021年にわずか数か月違いで同じデンマーク人として浦和に加入した同胞であり、ノルウェー人DFマリウス・ホイブラーテンは前所属のノルウェー1部ボデ・グリムトでユンカーとチームメイト。今季の浦和移籍の際にも相談した間柄だった。

 そうした因縁もある対決だったが、ボールがかなりのスピードで走るスリッピーなピッチも影響してか、浦和は中盤でボールコントロールが落ち着かずに名古屋のカウンターを誘発してしまう場面が目に付いた。しかし、ユンカー、FWマテウス、FW永井謙佑といったスピード感のある名古屋の3トップに対し、ショルツとホイブラーテンのコンビは地上戦、空中戦、カバーリングと隙がなく、切り崩されることなく試合を進めた。また、後方からの組み立ての際もミスがなく相手のプレスを外す能力も見せ、出色のプレーだった。

 ショルツは「両チーム、対戦相手に対して良い分析をして準備してきたと思う。とても戦術的だったし、フィジカル的なゲームでもありましたね。ディフェンスはとてもよくできたと思う。名古屋にもそんなにチャンスを作らせなかったので、それは良かったと思います。2、3回ほどはありましたけど。攻撃に関してはちょっと苦戦したかなと思います。簡単なミスがちょっと目立ちました。その中でもチャンスは数回あったので、そういった意味でも0-0でタフでお互い良い試合をしたのではないですか」と振り返る。そして、「キャスパーは、とてもいいストライカーなので、試合を通して集中した状態でやっていましたよ」と、同胞の元チームメイトとの対戦について話した。

後方を固めたトライアングルが出色の出来

 また、ホイブラーテンはショルツとの関係について「常に良いコミュニケーションを取りながら、それは試合前、この一週間の間も常にコミュニケーションを取ってですが、手強いストライカーたちを相手にすることは分かっていました。逆に自分たちも集中力を乱さずにやっていこうというのが1つ。お互いにナチュラルな言語でコミュニケーションが取れるので、そこに集中してやりました。試合全体でお互いに良いサポートができたかと思いますね」と話している。

 そして最後のところではGK西川周作が立ちはだかり、セットプレーのこぼれ球のような混乱した状況でのボールも落ち着いてセーブ。質の高いマテウスのセットプレーにもゴールを割らせず、ショルツが「セットプレーのあとのカオスになった状態のところがあり、アウェーで名古屋とやる時は何か相手は起こしてくるし、周作が良いプレーをしたと思います」と話せば、ホイブラーテンも「もちろん周作にも非常に感謝しなきゃいけません。かなり乗ってきていて、相手の決定機を止めてくれました。あのようなGKがいることによって、勇気をもたらしてくれるので本当に感謝しています」とコメントしていた。

 前節終了時で2位の名古屋と3位の浦和が対戦したゲームはスコアレスドローだったが、迫力のあるせめぎ合いだったのも事実。そのなかで多少の劣勢は否めなかった浦和だが、後方を固めたトライアングルの安定感はゲームの中でも輝きを放っていた。

(轡田哲朗 / Tetsuro Kutsuwada)



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