なでしこ長谷川唯、1G1Aと躍動! W杯へ期待膨らむ“心臓部”のタスク「次につながる試合を…」

なでしこジャパンがポルトガルに勝利【写真:Getty Images】
なでしこジャパンがポルトガルに勝利【写真:Getty Images】

ポルトガル女子代表戦でスタメン出場、同点弾&決勝アシスト

 なでしこジャパン(日本女子代表)は現地時間4月7日にポルトガル女子代表とアウェーで国際親善試合を実施。先制を許したものの、2-1の逆転勝利を収めたなか、MF長谷川唯が1ゴール1アシストで絶大な存在感を示す試合になった。

 昨年秋にイングランド女子代表と国際親善試合を行った時から3バックシステムを導入している日本だが、長谷川はダブルボランチの一角としてスタメン出場した。所属するイングランドのウィメンズ・スーパーリーグ、マンチェスター・シティWFCでは3人の中盤でアンカーを務めるだけに「攻撃のアシストやゴールに絡むプレーが大前提にあるなか、チームではアンカーなのでビルドアップにも絡もうという思い」でプレーしたと話す。

 しかし、前半の立ち上がりは「全体的にボールは持てていたけど、怖さのない(パスを)回すだけになってしまった」と反省が口を突く状況だった。前線にボールが入ったあとも単発の攻撃が続くなかで、なかなかリズムが生まれない間に先制も許してしまった。

 そのなかで長谷川がダイナミックな動きで風穴を開けた。前半35分に左サイドに開いてMF杉田妃和がボールを持つと「妃和のところに入った瞬間にクロスが来ると思った」という長谷川は全力スプリントでゴール前へ。結果的に杉田の選択はペナルティーエリア内に走り込んだFW田中美南へのスルーパスだったが、田中がゴールライン際から折り返したところに長谷川が飛び込んでの同点ゴールになった。ボランチのラインから2列目のアタッカー陣よりも素早く反応して走り込んだことで、走り込む選手に段差と時間差が生まれて相手のマークも外れてゴール前を切り崩すプレーになった。

 また、後半8分には背後を取った田中の動きを見逃さず、長谷川がピンポイントのフィードを通して勝ち越しゴールをアシスト。日テレ・ベレーザ時代からのホットラインに田中は「唯は良いボールを蹴ってくれる。トラップも落ち着いて決めることができて良かった」と、絶大な信頼を語った。

 2014年にU-17女子ワールドカップ(W杯)で優勝したチームの中心選手だった長谷川は、ベレーザでは不動の中心選手として活躍して数々のタイトルを獲得。なでしこジャパンに選出されて臨んだ19年女子ワールドカップ(W杯)では16強のオランダ戦でゴールを奪うも敗退で悔しさを味わった。翌年夏にイタリアのACミラン女子チームへ移籍すると、1年後にはイングランドのウェストハムへ移籍し、今季はシティ加入と欧州でステップアップを続けている。

「今日はビルドアップでうしろに人数を掛けなくて良かったけど、今後もバランスを見ながらやっていきたい。今日の試合を含めてW杯まで残り少ないので、課題を修正して次につながる試合をしたい」と話す長谷川。なでしこジャパンの心臓部として、今夏のオーストラリアとニュージーランドで共催の女子W杯で活躍する姿に期待が懸かる。

(FOOTBALL ZONE編集部)



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