川崎サポーター抗議の横断幕が反響、「地域密着」軽視論にSNS共感の声 「距離感じるなと」
4月5日のルヴァンカップ・浦和戦後、スタンドの一角から抗議の横断幕
4月5日に等々力競技場で行われたルヴァンカップの川崎フロンターレ対浦和レッズ戦後、川崎サポーターが掲げた抗議の横断幕が話題に。クラブ応援団がその経緯を明かすと、SNS上では「私も感じていた」などといった共感の声が上がるなど、反響を呼んでいる。
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浦和戦後、川崎サポーターが陣取るスタンドの一角から抗議の横断幕が掲げられた。「地域密着は後回し。功労者は次々と辞めていく 吉田、富士通体制の事業方針はこのままでいいのか?」。内容はクラブの事業方針に向けられたもので、その経緯について、応援団「川崎華族」は公式サイト上でこう説明している。
「横断幕を掲げるに至った最大の理由は、フロンターレが現在の吉田社長の体制になってからというもの、これまで先人たちが大切にしてきた『地域密着』というクラブの基本理念が軽んじられていると強く感じているからです」
創設当初から地域密着の理念を第一に掲げ、地域に愛されるクラブ作りを進めてきた川崎。地元を巻き込みながらサポートの輪を広げてきたなか、今やJリーグ随一の強豪クラブへ成長した。地道な歩みが功を奏して今に至った一方、サポーター側はここに来てある危機感を抱いているという。
「今のフロンターレは1年前に親会社の富士通から来た吉田明宏社長の下、これまで皆で育んできた地域との絆を軽んじ、今までとは異なる価値観の下で危うい方向へ進みつつあると感じています。私たちは、様々な局面でクラブと向き合い共に活動を重ねる中、吉田社長の優先する事柄や既存スタッフの処遇からこの変化を肌で感じ、今のクラブの状況に極めて強い危機感を抱いています」
地域密着に貢献してきたクラブスタッフたちが次々と去るとともに、商店街、地域団体との関係性が希薄に。そうした状況を黙って見ていられなかったことが、今回の横断幕掲出につながったという。クラブとの根強い絆を見せてきた川崎サポーター側からこうした抗議の横断幕が掲げられたのは、極めて異例と言えるだろう。
「川崎華族」の公式SNS上ではスタジアムで掲げられた横断幕を捉えた写真、横断幕掲出に至った経緯を記した文章を写した画像の2点がアップ。ファンからも多数の反応が寄せられ、「この弾幕は意外だった」「こういう横断幕を出すって相当のこと」「こんな弾幕を出してるのなんて初めて見た」といった驚きの声も見られた。
一方、「地域密着」の軽視に共感する反応もあり、「川崎フロンターレをスポンサードして6年目になる。優勝し始めてからだろうか。フロンターレの営業さんは来なくなり、メールのみでの更新依頼」「私も感じていた。タペストリーを外してしまった商店街も見かけます」「近所の川崎市北部の商店街役員さんが何か距離感感じるなと言ってました」との声も。クラブへ向けられたサポーターの“抗議”が好転へ向かうことが望まれる。